『百人一首』は、誰によって、何の目的で作られたのか。長らく藤原定家が撰者とされていたが、著者の最新の研究により、後人による改編が明らかとなった。成立の背景やアンソロジーとしての特色を解きほぐし、中世から現代までの受容のあり方を考えることで、和歌にまつわる森羅万象を網羅するかのような求心力の謎に迫る。
序 章 『百人一首』とは何かーーその始原へ
第一章 『百人一首』に至る道
1 勅撰和歌集というアンソロジーーー撰歌と編纂の魔術
2 八代集という基盤ーー「私」から複数の人格へ
3 『三十六人撰』から『百人一首』へーー〈三十六〉と〈百〉の意味
第二章 『百人一首』の成立を解きほぐす
1 アンソロジスト藤原定家の登場ーー編纂される和歌と物語
2 『百人秀歌』と『百人一首』--二つの差異から見えるもの
3 贈与品としての『百人秀歌』--権力と血縁の中に置き直す
4 定家『明月記』を丹念に読むーー事実のピースを集めて
第三章 『百人一首』編纂の構図
1 『百人一首』とその編者ーー定家からの離陸
2 配列構成の仕掛けーー対照と連鎖の形成
3 歴史を紡ぐ物語ーー舞台での変貌
4 和歌を読み解くーー更新される解釈
5 『時代不同歌合』との併走ーー後鳥羽院と定家
第四章 時代の中で担ったもの
1 歌仙絵と小倉色紙ーー積み重なる虚実の伝説
2 和歌の規範となるーー『百人一首』の価値の拡大
3 異種百人一首の編纂ーー世界を入れる箱として
4 『百人一首』の浸透ーー江戸から現代まで
終 章 変貌する『百人一首』--普遍と多様と
『百人秀歌』 『百人一首』所収和歌一覧
主要参考文献
図版出典一覧
あとがき


他のユーザのコメント