・史記の本紀の全訳。日本語訳だけで、元の白文や漢文はない。個人の趣味 に加え、歴史に興味を持ってきた中学生の息子にも、勧めようかと思い、 購入したが、後者の目的には、かなり無理がある困難な本と感じた。 ・文章自体が難しいわけではないが、史記に出てくる古代中国独特の単語( 言い回し、職制)が多いにも関わらず、岩波文庫の史記列伝などに比べ、 説明が非常に少ないため、高校生や大人でも読みにくいのではなかろうか。 個人的な感想だが、言い回しに関しては、中島敦の李陵や名人伝を、あま り苦にせず読める単語力が必要かと思われる。 ・全体がつかみにくいので、陳舜臣氏の中国の歴史の初め(文庫本でいえば、 第一巻)を、先に読んでおくと、わかりやすいかと思う。 ・一方で、本紀でしか読めない内容(周の滅亡前後の状況や、秦の建国の歴史 など)が読めるのは、興味深い。ある程度、中国の前漢までの全体の歴史を 把握する人が、詳細な内容を、把握したい場合に、本書は有効かと思う。