視点はある意味斬新ですが。。。
まずこの作品、司馬遼太郎先生の「燃えよ剣」や「新選組血風録」等に心酔されておられる方には余りお勧めできないと思います。特に、2012年に「るろうに剣心」が映画化され、作者の和月伸宏氏がバイブルと称していることから既に一読された方も多いかと思いますが。
理由としましては、史実としては余り大きなブレは無い様に思われ、結成から池田屋事件・伊東派との内紛など忠実に再現されているかとは思うのですが、淡々と歴史が流れているだけの印象で、抑揚や新選組の代表的な見せ場の一つである池田屋事件一つとっても血湧き肉躍る興奮は得られないかと思います。
特に、隊長格で言うと原田には比較的焦点が当たっているものの、通常の時代小説やマンガなどで美化され過ぎている沖田総司に関してははっきり言って殆ど出てきませんw
しかしながら、サブタイトルにもなっている「星をつかみそこねる男」が著しているような視点での新選組の作品は非常に希有で有り、そういった描き方としては水木しげる氏の唯一無二の独自性を感じることは出来ると思います。
ただ、水木氏の作品ではしばしばある事なのですが、不可解な点としては中盤以降、下級隊員の逸話の挿入があるのですが、タッチが全く異なりかなり昔の短編を無理矢理挿入した感じが否めません。
この辺りはわざわざ挿入した意義が余り感じられなかったですかね。。。
評価については難しいです。 同じちくま文庫から出ている「劇画 ヒットラー」が同じサクセスストーリーでも、一時期はホームレスレベルから総統までのし上がった事を考えると、どうしても地味さを感じられずにはいられません。
加えて、活字が多く読み応えは有るものの、価格面を鑑みて評価は星マイナス一つとさせて頂きましたが、ともすればこれでも水木しげる氏の判官贔屓になってしまいますかね。。。
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