社会人類学を勉強する人にとっての基本文献です。本書は『世界の名著59』として1967年に訳出されましたが、そちらは最近では手に入りにくいものとなっていました。そのような意味で、今回文庫本として刊行されたことは、本当に喜ばしいことです。さらに文庫化にあたって、文章の再編集と補正が行なわれ、より読みやすくなりました。マリノフスキーの原著は600頁近くの分量があり、本書はその全訳というわけではありませんが、原著で語られている重要な観察記録や分析、概念などについて、重要な箇所を漏らすことなく非常に分かりやすい文章で訳出していると思います。読んでおいて損はありませんよ。なお、解説は中沢新一です。