少女が体験したホロコーストの恐怖

筆者はホロコーストの最後の生き証人の世代の一人としてホロコーストの時代ユダヤ人がいかに理不尽な差別と暴力、殺人にあったか少女のみずみずしい感性をわすれぬままリアルに証言しています。チェコスロバキアでの平和な結束力の強い家族の中での幸せな日々からナチが侵攻し反ユダヤ法ができて公園で、市長に腹をけられたこと、親族が次々と強制収容所に送られ殺されたこと、潜伏していた部屋から裸で外に放り出されまわりのキリスト教徒がにやにやとわらっていた中でトラックに放り込まれたことアウシュビッツに送られ幸運にも実験体として3か月地獄を体験しながらも生き延びたこと、そして解放後の苦労と悲劇、共有できない過去を背負って家族と再会し再び幸せをかんじることができたが、決して元通りには決してならないこと。ソ連が迫る中オーストラリアへの亡命とそこで得た幸せな生活。 ホロコーストをこの身で体験したような恐怖を共感して感じることができたのはこの本が初めてでした。悲劇に終わらなかった奇跡のおかげで読後感もすっきりし、一読に値すると思います。大人だけでなくアンネを読んだ少女にも読んでほしい。筆者が長生きして語り部として生き続けてほしいと切に願います。