SFかファンタジーか?!

よくもまあ、ここまでネタを詰め込んだものです。 ざっと思い当たるだけでも、神道、仏教、聖書、民俗学、古代文明、ムー大陸、アトランティス大陸、封神演義、世界各地の神話、オカルトなどなど。 神話にいたっては、カレリア神話(挽き臼サンポの話とか)まで入っていると思われる。 一般的には、10あるアイディアを3くらいに削って書くのだと思うのだけれど、このイティハーサは10のキャパシティにおそらく20も30もネタを入れ込んでいる。この点、ワイドスクリーンバロック小説のように感じる。 普通の人なら消化不良気味になって、書ききれないであろうものを、この作者は見事に消化している。それはまことに見事である。 本作は、絵が極上の美しさのため見逃されがちかもしれないが、たいへん血なまぐさい話である。しかし、画力がそれを全く感じさせない。 5巻までは、これってSFというよりはファンタジーかなあ…と思いつつ読み進めていたが、6巻になって、なぜこの作者が「SF」にこだわり続けたのかが分かった。 おそらくSF小説好きの方にはそれがよくわかると思う。 ただ、この6巻、私的にはたいへん後味の悪いものであり、その点を考慮して評価は★4つとさせていただきます。