待っていました
戦後の混乱期に起きた悲劇に端を発する現代の殺人事件を描いた作品。
作品全般に悲しさが漂ってます。
ホラーのような印象を受けますが、けっしてそうではない、悲しい人間のドラマです。
ラストでの想像を越えたどんでん返し、それは救いがたい悲劇でした。
決して派手な作品ではないのですが、日本映画史に残る傑作です。
数十年前になくなった母親の言葉通りに人を殺してしまう女性が主役。
フィクションなのに、戦争で家族を、生活を、
そして自分の人生そのものを奪われた人々の悲しみが作品の根底に流れておりそれがこの作品のテーマでもあります。
なによりすごいのが陰の、そして真の主役の岸田今日子さんの驚異的な演技。
あの鬼気迫る表情、しぐさ、声は一度観たら忘れられません。
娘の頬に焼き鏝を当てるときに、目をかっと見開く一瞬。
幽鬼のようなすさまじさ。
本来なら憎むべき所業ではあるのですが、母真由美から悲しさがにじみ出るのがわかる、
そこに岸田さんの天才的なすごさがあります。
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