長文読解の「コツ」を短文で指南

英語長文読解の参考書と言うと、(1)入試で出題された英語長文(2)問題の解答解説(3)構文・語彙のポイントのまとめという構成が主流である。だが、『The Essentials英語長文 必修英文100』と名付けられた本書は、そうした参考書とは一線を画している。そもそも100ある「必修英文」は全て長文ではなく、長くても30語程度の「短文」である。要するに、本書は単なる英語長文の参考書ではない。そうではなくて、論理構造・論理展開、重要構文等を指摘しながら、英語長文を読む際のコツを指南する参考書であると言っていい。 本書の構成は以下の通り。 Chapter1「一般論と主張」の対比構造 Chapter2 重要情報・具体例・反復表現 Chapter3「文型・倒置」の実践的活用 Chapter4 因果関係・イコール表現・その他の重要構文 Chapter5 さまざまな長文での重要表現 以下、各章の簡単な解説を。 Chapter1とChapter2では、過去と現在の対比、一般論の否定、譲歩→逆接、重要情報を示すマーカー、主張・結論を示すマーカー等、英語長文の論理構造・論理展開が手際よくまとめられている。英語の長文読解がニガテな人はまずこの2章を読むとよいだろう。 Chapter3とChapter4は、基本5文型、倒置、因果関係、比喩表現、定義表現、まとめ表現、等々幅広い構文・表現を扱っている。これらは長文読解ではなく、英作文にも役立つに違いない。 Chapter5に関しては、旅行・交通、広告宣伝、イベント、実験研究、ビジネスといったTOEICに対応できる英文が収められている。 以上概観した通り、本書は、パラグラフ・リーディングの参考書、重要構文集、TOEICの参考書の「いいとこ取り」をした内容の構成になっている。Chapter3とChapter4に限定して言えば、小倉弘氏の『英語難構文のトリセツ』や永岡信和氏の『インタラクテティブ英語構文』、吉ゆうそう氏の『吉ゆうそうの英文読解 解テク101 』などが類書と言えなくもないが、Chapter5を見れば分かる通り、内容がはるかにup-to-dateなものになっている。 英語が得意な人、ニガテな人、どちらにもおすすめだが、特にニガテな人は是非手に取ってほしい。英語の長文を読むには「コツ」があるのだということが実感できるはずである。