本邦コミックスの水準の高さを如実に示す

鎌倉という舞台が同一なのを除いては、小津の映画作品(鎌倉はその一部、多くは主人公の自宅に過ぎないが)の表現と吉田秋生のそれとは全く異なる。 でも、なんだか似ているような印象があるのは、二人とも「大げさが嫌い」(池波正太郎のエッセイのタイトルだが)だからかな。 吉田氏の緻密だが、それを表に出さずにさらりと画面に流す表現力は、出色。 最近、すっかり質の落ちた直木賞作家など、同氏の足元にも及ばない。 課長→社長のゴミ垂れ流し漫画家や、美女云々の品性下劣作家は、これを見て反省して欲しい。本邦のコミックスの水準の高さを如実に示す作品と言えるだろう。