若い人たちの税金や社会保険料で養ってもらいながら悠々自適の生活を送り、いつまでも古い考え方に捉われ、傍若無人に振る舞うーーそのような「老害」と言われる高齢者ではなく、「良い高齢者」すなわち「世の中のためになっている高齢者」として生きる、新しい老後生活のあり方が本書に示されている。
著者の松本氏は、高齢者も可能なかぎり働き続けることを提言。高齢化社会の大きな問題である増大する社会保障費を抑えるためにも、真剣に検討すべきことだと思う。松本氏ご自身も82歳にして起業し、今も仕事に邁進しておられる。その行動力に敬服する。
本書では、この定年退職後の働き方について、高齢者特有の事情等に目を向けながら、丁寧に論じられている。
平均寿命が延び、一段と長くなっている退職後の時間を、何にも縛られずに過ごして幸福感を得られるだろうか。働くのをやめると、精神的・身体的機能が低下する人も出ると言われる。多少の労苦を味わい、ささやかでも世の中の役に立っていると感じられるときにこそ喜びがあり、生き生きといられるのではないか。
不平不満を連ねるよりも、率先して「良い高齢者」として生きていく。そういう人が増えれば、これからの世の中を、少しでも明るいものにできるかもしれない。
誰もがいずれは高齢者となる。長寿時代の生き方を考えるために、幅広い世代の方にお薦めしたい1冊である。
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