宗教学会からの批判が遅きに失した

統一教会への批判が高まった1980年以来40年以上の間、学究界からの確たる問題意識が十分に提起されてこなかったことは残念だ。被害が広がっていたにも拘わらず余りにも馬鹿げた教義なので取るに足りないと甘く見たのかとも思う。本作は緊急出版とあるが宗教学会・学者さん達の存在意義が緊急事態にあるのではないか、と皮肉の一つも言いたくなる。 この本では第一線の研究者が統一教会問題を契機に様々な視点から政教分離についての知見を紹介している。単にカルト宗教批判というだけでなく、いまの日本で宗教と政治の関係を考察する上での適格な「交通整理」的知識を得ることが出来るだろう。