●18歳になったおとぎ話の主人公グレーテルがサイコセラピーを受けにきた──。奇抜な設定で,精神療法とは何かを順を追ってわかりやすく語る。患者との出会い,診断面接,治療契約から治療の終結に至る各段階の随所に「練習問題」が設けられ,読者は精神療法のプロセスを対話的に学習することができる。
●親から子へ子から孫へと語りつがれてきたお伽噺や民話には,人種,世代を超えた普遍的テーマが秘め られています。これだけ科学が進歩し,生活が豊かになっても,人間の精神生活はそれほど変化していません。近代的な住居の中で,世界を制覇する大企業の人間関係の中で,お伽噺のテーマが繰り返されています。この本はそんなお伽噺のひとつ,『ヘンゼルとグレーテル』の主人公,グレーテルが18歳になった時サイコセラ ピーを受けにきたという想定で,サイコセラピー(精神療法)とは何かを,一般読者にも順を追って理解できるように書かれています。現在精神療法の勉強をしている人にはもちろん,いま精神療法を受けている人や,精神療法とは何かをこれから知ろうとする人にも,子供の頃からお馴染みの,お伽噺の主人公が受ける精神療法のプロセスを通して,精神療法をもっと身近なものとして感じていただけると思い ます。(「まえ書きより」〉
●目次
序文
まえ書き
第 I 部 サイコセラピー入門
序章 サイコセラピーとは何か
第一章 ヘンゼルとグレーテルの物語
第二章 グレーテルとの出会いーー診断面接
第三章 宝捜しの条件ーー治療契約
第四章 協力体制の確立ーー治療同盟
第五章 あたかも魔女のごとくーー転移
第六章 「落し穴」という名の道しるべーー逆転移
第七章 無意識への王道ーー夢
第八章 行く手を阻むものーー抵抗
第九章 ワーキング・スルーI--徹底操作I
第一〇章 ワーキング・スルーII--徹底操作II
第一一章 さようならをもう一度I--治療終結
第 II 部 症例「グレーテル」再考
序章 精神力動的「読み」について
第一章 導入期
第二章 最盛期
第三章 ワーキング・スルーから終結へ
第 III 部
学問としての精神療法
序章 用語の解説
第一章 対象関係の展開
第二章 症例「グレーテル」の精神病理
1心的現実
2性的誘惑説と内因性欲動説
終章 精神療法的治癒とその機序についてーー「良い」対象関係のファイル作り
あと書き
資料・参考文献


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