何も足さない・何も引かない/絶頂期の演奏
このCDには、ポリーニ(1942年生)が最も輝いていた頃の演奏が収録されています。
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私が二十年以上前に購入した当時のCDでは、オイゲン・ヨッフムとの共演の2番と、
本CDと同じ音源のベーム/4番がカップリングされていました。
おそらく何百回と聴いているうちにCDが劣化してしまったのでしょう、再生出来なく
なってしまったため、再び購入することにしました。
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18歳でショパンコンクールに優勝してからも地道に研鑽を積み続け、三十代の絶頂期を
迎えたポリーニの作品に対するアプローチは首尾一貫しています。
己を虚しくして、飽くまでも作曲家自身の意図を汲み上げることを第一義とするために、
極めて楽譜に忠実な演奏を行っています。
有り余る才能(技術)を、ただひたすら芸術としての音楽を追究するためだけに捧げ、
あたかも求道者のような厳しさとひたむきさには、心を打たれずにはいられません。
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ベーム/ウィーンフィルとの相性も抜群で、このCDの旨味=聴き所です。
ひとつ例を挙げると、4番の冒頭、ピアノが第一テーマを静かに奏でた後、それを引き継ぐ
形で、オーケストラが第一テーマの動機を繰り返しながら盛り上がって行く箇所では、
まるで、霧で隠れていた情景が、少しずつ少しずつ、その美しさの全貌を現して来るかの
ようなイメージを与えられます。
このオーケストレーションのコントロールの見事さは、何度聴いても感動で胸が震えます。
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そして、私見ではありますが、このCDの白眉は、5番の2楽章にあると考えます。
単音で奏でられる主旋律の一つ一つの音が魂に直接語りかけて来るような…全ての音が
揺るぎない必然性を持ってそこに存在している世界に浸りきり、至福の時に心を遊ばせる
無上の喜びを味わっています。
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