これが自然の姿・・なのかな。

今までの文庫に比べて、少し薄い本でした。 遠藤作品はコミックスも全て持っているんですが、書き下ろしやあとがき目当てで文庫も買い揃えています。 この薄さなら、表題作以外の動物物を2,3入れてもらってもよかったんじゃないかな・・・と思いました。 スマリの森については、キタキツネが主人公の話です。 お話の進み具合によって、主人公の白いキタキツネのスマリや、離れて暮らすスマリの弟たち、お母さんが擬人化されたりしますが読んでいて何の違和感もなくスムーズにストーリーに入って行けました。 スマリが学生のレポートの為に発信機のついた首輪をつけられたり、病気を持っているからと人間に嫌われているんだという会話があったり、丹頂鶴は大事にされてエサまで貰えるけど、キタキツネは道路で死んでも誰も見向きもしない・・と、やたらと人間と触れ合ってちやほやされるような話ではなく、これが今のキタキツネの現実で、それがいいとか悪いとかの表現もなく、ただ淡々とキタキツネはその現実を受け入れて共存しているんだなあという印象です。 作者から「この現実は駄目!もっとこうして!」というような押し付けがましい意見は一切ないです。 ただ、「北海道のキツネはこんな感じ」と紹介して貰ったというか、読み終えた後とても身近で当たり前の存在に感じました。 北海道には観光で行った事しかないので、「キタキツネは特別」という思いがありましたが、北海道の人にとってキタキツネは生活の一部なのかな、と思いました。 いて当たり前、と言うような・・・。 相変わらずページのあちこちに笑いが入っていて、テンポがいいです。 でも油断していると、ちょっと泣いたりしている自分がいます。 何度も読み返しています。