ヒトラー政権下のベルリン・オリンピックのマラソンで、朝鮮籍の孫基禎が日本代表選手として出場し、金メダルを獲ったことを知っている日本人はどれほどいるだろう。本書は貧困と差別に苦しみながら、その快挙を打ち立て、さらに戦後は指導者としてアジアのスポーツ界に大きな足跡を残した孫基禎のマラソン人生を丹念に描いている。彼のマラソン人生を知ることで、読者はこれからの日韓関係やオリンピックのあり方を見直すことになるに違いない。特に若いスポーツマンには必読の本だ。