ロールシャッハ法は、臨床場面において子どものアセスメントを行い、子どもの世界とかかわろうとする際に、大変役に立つ豊かな情報をわれわれに与えてくれるものである。本書では、反応リストの作成にあたり、総計436名のプロトコルを使用し、約5,000個の反応を集計・分類した。各図版の主な反応内容の特徴と概要を紹介した上で、幼稚園児から中学生までの各学年別の反応をわかりやすい一覧にし、Popular反応についても同様に学年ごとの一覧を付した。さらに参考として、包括システム、名大法、阪大法、片口法といった他のスコアリングシステムとの反応領域の対照表を掲載し、各図版について、子どもならではといった楽しい反応をイラスト付きで紹介している。ロールシャッハ法が心の法則性を理解する方法であると同時に、子どもたちの個性的で豊かなイメージの世界を伝え得るものであることを、本書はあらためて示している。日々子どもとかかわる臨床家にとって貴重な示唆に富む一冊となるであろう。


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