ある特定の行動に対して、これまで環境の影響と考えられてきたことは、本当に環境の影響だと言えるのだろうか。環境のあり方そのものが遺伝の影響を受けている可能性はないのだろうか。シリーズ第3巻では、問題行動、養育行動、読書行動、性的指向など、一見すると環境から強く影響を受けているように思われる行動について、遺伝と環境の多様な関わり合いを明らかにしながら、「環境」の意味を問い直していく。
【目次】
シリーズ刊行にあたって
まえがき
第1章 問題行動と養育行動(藤澤啓子)
1.はじめにーー子どもの非行は親のせいなのか
2.子育て行動における遺伝と環境
3.ADHDのある子の子育て
4.子どもの問題行動と親のネガティブな養育行動の関係についての行動遺伝学研究ーー子どものADHD傾向はどのような影響をもたらすか
5.おわりにーー子どもの特性によって支援の方法は異なる
第2章 養育行動の文化差(敷島千鶴)
1.はじめに
2.日本の養育と西洋の養育
3.養育の行動遺伝学分析
4.養育の測定
5.結果
6.知見のまとめ
7.おわりに
第3章 養育行動と仲間関係の問題の双方向的因果関係(山形伸二)
1.はじめに
2.親の養育行動が子に与える影響を科学的に示すことの難しさ
3.調査の方法
4.調査の結果
5.何がわかったか
第4章 読書行動と家庭環境(安藤寿康)
1.はじめに
2.読書環境と読書行動の関係を行動遺伝学的に見る
3.実証研究
4.「家庭環境」という幻想
第5章 パーソナル・テンポや利き手の発達(鈴木国威)
1.はじめに
2.パーソナル・テンポの発達
3.側性の発達
4.おわりに
第6章 性的指向と性同一性(佐々木掌子・平石界)
1.はじめに
2.性的指向と性同一性とは
3.性同一性の双生児研究
4.指の長さと性的指向
第7章 ふたごのきょうだい関係(野嵜茉莉)
1.はじめにーー少子化の中できょうだいについて考える
2.幼少期のきょうだい関係と社会性の発達
3.双生児のきょうだい関係は社会的適応とどのように関連するかーー年齢差のあるきょうだいとの比較研究
4.おわりにーー双生児の成長を見守る
人名索引
事項索引


他のユーザのコメント