本書は2022 年10 月から12 月にかけてリベラルアーツ検定のウェブサイトで連載した内容を新書用に加筆・修正したものです。タイトルを『中国のことばの森の中で─ 武漢・上海・東京で考えた社会言語学』としたのは、2005年に中国の武漢の大学で教え始めてから博士の学位を取って2013 年に上海の大学に移り、2017 年に帰国し、2023年の現在に至るまでの期間、観察・研究したこと、また現在、大学院で講義している内容や最近の言語現象に関連して考えたことも含んでいるからです。
本書は、中国語がわからない方にも楽しく読んでいただき、読み終わる頃には社会言語学の概念や用語を、それからことばと社会がいかに関係しているかを理解してもらえるように、関連するエピソードや紹介する研究なども選んで構成しています。つまり、「中国社会言語学」の簡単な入門書となるように工夫し執筆しています。それは、中国社会言語学に関する本が、1990 年代の中国の社会言語学者陳原先生の著書の翻訳以来、日本で出版されていないからです。(はじめに)
はじめに
第1章 中国のことばの森の中でー武漢の街や武漢語のこと 1
第2章 「倉橋家の謎」-言語景観ということ 13
第3章 中国宮廷ドラマ見ていますかー中国語の男女ことば 23
第4章 ブーブー、わんわんー中国の子供ことば、老人語 34
第5章 上海で水を買うー配達のお兄さんと「役割語」 47
第6章 もっと雑踏。上海の町の中で聞こえることばー言語接触 61
第7章 永く忘れない…言語行動・非言語行動 75
第8章 武漢なまりなつかしーコロナ禍の「言語サービス」と言語博物館 87
第9章 心の中の大舞台ー広告のことばと「言語生活」 101
第10章 百回、千回だって探す?-「名前」ということ 117
第11章 ベルサイユのバラと中国語の新語 131
第12章 「ことばと社会ー中国社会言語学のすすめ 145
おわりに
注


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