とても良い!

ジェイソンは前作でサムの生い立ちを知り、口論のさなかでさえ、サムの戦い方ー父親のいない幼い彼は見下した態度をとることで相手を牽制し、母親を守り、自分の不安と弱さとを隠してきたーに想いを馳せ喉を詰まらせ涙していた。もうどうしようもなくサムを理解し愛している。サムの相手をスポイルしようとする一種偏執的で不器用な愛し方には真に恋する男の臆病さが垣間見えるが、ジェイソンのそれはいつの間にかもう一段上の高みへと到達してしまっているように感じる。 終盤、ジェイソンなりの学びから、耐えられないこれ以上はもう無理だと、一見関係の解消を望んでいるかのような言葉がついに放たれるが、これは単なるひとつの愛の完結形であり、自分がこれまで積み重ねてきた大きな痛みを伴うと知りつつ抱き続けたサムへの愛に対するこれ以上愛することはできないところまで到達できたという高らかな勝利宣言でもある。その一言一言にこれ以上はないサムへの愛が織り込められており、ジェイソンから発信されたそれら全てを正しく受け取って完全に打ちのめされたサムは、パーティーも金魚のフン野郎(ジェイソン談)も放り出しジェイソンの元へ駆けつけ、ジェイソンと読者とが今か今かと待ち望んだ敗北宣言をする。本当に読み応えのある巻でした。(薄いですが) 5巻のハッピーエンド(だろ?)が楽しみです!