不完全な「人間らしさ」が描かれている物語

この著者の作品では「何かが欠けている人間」が描かれることが多い。 ・「雨夜の月」→聴覚障害(友人への依存)。 ・「兄の嫁と暮らしています。」→夫の早逝(義妹への依存)。 ・「あくまのまま」→母親の早逝。 しかし、どれほど優秀な人間でも、完璧たることは有りえない。 不完全な人間同士の中で生きることが、社会で生活することだと、年齢を重ねると分かってくるものだろう。 その点において、正義のヒーローが活躍する王道の作品よりも、著者の作品ではリアルな人間が描かれており、個人的に楽しみにしている。 最後に、主人公である「及川奏音」は、著者の「笑顔のたえない職場です。」の5巻にも登場している。