音楽よし、カラフル、レトロポップコメディ
幸薄で純朴な30歳を迎えた看護師リーザが、夢に見ていた幸せを掴むまでのハートフルコメディーです。
画面もカラフルだし、ト二ー谷ならぬ謎の「トミー谷」という、主人公の空想上のお友達が奏でる日本語の歌は、戦後のあの懐かしい歌謡曲を彷彿とさせ、歌詞もいいし、ノリもいいしで、私は一気にハマりました。
人を信じやすく、純朴で、恋を夢見て一途な努力を続ける主人公を、とっても応援したくなる作品です。主人公がピュアすぎるだけに、やきもきしたり、キュンとしたり、ハラハラさせられたり、泣けたり。でも、大丈夫。ちゃんとそんな彼女を見守ってくれる存在と出会える心温まるストーリーです。
ちなみに残酷なシーンは、ほとんどありません。一応、作品ジャンルとしては「サスペンス」なので、多少「血のり」が登場しますが、目を背けるほどでもなかったように感じます。あくまで”コメディー”の要素として使用されているので、さらっと流して見ることができました。
ウェス・アンダーソン監督のような独特な「間」と「シニカルな笑い」そして「レトロでポップな配色」がお好きな方であれば、ぜひ一度ご覧になることをおすすめしたいです。カメラワークに、衣装や小道具のカラーレイアウト的には『ブダペスト・ホテル』や『ダージリン急行』に似ている印象を持ちました。
また、監督は違いますが、ガイ・リッチー監督の『スナッチ』のように、クライマックスに向けてこれまでの様々な人物が絡み合って、ドタバタと爆笑のうちに急展開を迎えるなど、脚本もよく考えられているなぁと感じました。
余談ではありますが、那智勝浦で日本文化の素晴らしさと、絶景、九尾の狐伝説に触れたというハンガリー人監督Ujj Meszaros Karoly(ウッイ・メーサーロシュ・カーロイ)。彼のその「日本愛」をめいっぱいに散りばめた作品なんだなぁと感じさせられました。
若干、「勘違いジャパン」が描かれている(笑)とはいえ、謎の登場人物である「トミー谷」が歌う日本語の歌詞は、実際にブダペスト在住の日本人のご婦人に依頼して作詞していたそうです。(ただし、歌っているのは、ハンガリー人というのがビックリ!)
ウッイ監督のその他の作品も、本作同様レトロでカラフルで、ノリのいいコメディーが多いので、気になる方にはぜひネットで検索されることもおすすめしたいです。
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