フーテンの寅さんは各地のお祭りや縁日を渡り歩くテキヤだった。本書は大正、昭和期、茶碗をネタにテキヤ渡世を生きた老テキヤからの聞き取りをもとに、テキヤの心情、流通、掟などを記録した貴重にして面白いノンフィクションである。
チャワンを売って幾星霜テキヤ稼業の一代記!
民俗学者が聞いた、祭り、縁日、露店、旅の日々…
祭りや縁日で露店を仕切り、たこ焼き、焼きそば、綿アメなど様々なものを商っていたテキヤたち。なかに、わんちゃ(チャワン屋)一筋に生きてきた老人がいた。かつて物流も発達していなかった時代、テキヤは全国を旅する移動販売業でもあった。旅に生きたかれらの商売、生活、心情などを、民俗学者が聞き取った貴重にして無類に面白い名著。解説・井上章一
前口上
老テキヤとの出合い
二十歳の旅立ち
旅のはじまり/大黒屋一家/テキヤの仲間たち
印物
行商と弟子修業
貧乏徳利を売る/東京への行商行/初めての叩き売り
旅から旅へ
一年の旅日記/利兵衛、風土を語る/東の女、西の女/盃の仲人を務める
旅の色と欲
茶碗が売れない/女を騙す話/女に騙された話
中口上
利兵衛の影を追って
ヤシとテキヤの事始め
立売の商人たち/薬から香へ/『十三香具虎之巻』/ハッタリ渡世
口伝の社会
口から耳へ/盃事の作法/挨拶の作法
高市(たかまち)のにぎわい
露店を張る/親分の役割/テキヤさまざま
茶碗屋の口説き
茶碗を売る/口上の構成/どんぶり、皿を売る/茶碗屋の手品/起死回生の術
仕舞口上
旅と商い/あとがき/続仕舞口上
解説ー井上章一


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