咲希が「壁を崩していない」ことを祈ります

第4巻のラストシーンは、合唱コンクールの指揮者に立候補した及川奏音と、ピアノ伴奏を担当する金田一咲希の笑顔のシーンで終わる。 まるで表紙絵のように幸せそうな笑顔で。 ただ最初に、合唱コンクールの指揮者に立候補していたのは、クラスメイトの富田さんであり、富田さんは意図的に、合唱コンクールで奏音に対して嫌がらせを仕掛けようとしていた。 咲希は「嫌な予感ほどあたる」と、富田さんに対して感想を抱く。 しかし、詳細な事情は省かれているが、富田さんは登校しなくなり、代わりの指揮者に奏音が立候補することになった。 咲希は「何で奏音が壁を乗り越えなきゃいけないの!? 壁の方が崩れなきゃいけないよ。」と奏音に話している。 そして、指揮者に立候補した富田さんが、奏音に嫌がらせをしようと知っていたのも、咲希である。 アガサ・クリスティーの推理小説「アクロイド殺し」では、殺人事件の犯人であるシェパード医師が「殺人の詳細な事情を省く」形式で、犯人の一人称で物語は進められた。 願わくば金田一咲希が、富田さんに対して「公平では無い方法によって、壁を崩した」ような行為が無かったことを祈るばかりです。