リリイと寅次郎が登場する数作品の中でこの作品が もっとも官能的かもしれません。 もちろん「男はつらいよ」シリーズに直接的な描写は皆無ですが、 相合い傘で寄り添う寅次郎とリリイの姿はまさに情を交わす寸前の 高揚した男女そのもの。まぁ結局臆病風に吹かれた寅次郎は遁走し、 当時の観客はスクリーンに向かって「はぁぁー」と諦めの嘆息を 漏らしたのでしょう。 4Kリマスターの高解像度でフィルムの質感を感じさせる映像にも満足。 特に夜の雨のシーンの艶ややかな光は出色。 アナログ的な愛と笑いと昭和を擬似体験できる貴重な作品です。