日本文学研究の新たな方法を切り拓くために。
「批評理論」とは、異なる分野や学問領域の研究者が、互いに意思を伝え合うことができる共通の〈言語〉である。本書は日本文学から、その理論を提示する書です。
国内外の論客が、ハーバード・イェンチン研究所で開催された、日本文学国際シンポジウムでの成果から、日本文学研究の現在を見据え、新たなる方法を提唱する野心的な試み。
【執筆者(収録順)】
ハルオ・シラネ/木村朗子/キース・ヴィンセント/藤井貞和/イヴ・ジマーマン/セリンジャー・ワイジャンティ/デーヴィッド・バイアロック/高木信/深津謙一郎/生方智子/安藤徹/内藤まりこ/松井健児
はじめにーーーー「日本文学からの批評理論」への招待
◎イントロダクション
日本文学、文化の記憶、権力(ハルオ・シラネ)
◎アンチエディプスーーーー精神分析の変容
物語のアンチエディプスーーーー寺山修司・谷崎潤一郎・『源氏物語』(木村朗子)
夏目漱石『こゝろ』におけるセクシュアリティと語り(キース・ヴィンセント)
薫型コンプレックスーーーー『源氏物語』の思想(藤井貞和)
兄妹愛とインセストーーーー中上健次「秋幸三部作」をめぐって(イヴ・ジマーマン)
◎物語社会ーーーー歴史をどう語るか
換喩から提喩へーーーー『剣巻』における歴史の形象(セリンジャー・ワイジャンティ)
歴史の外典か戦争機械か?----清盛のカブロと空間、噂、放浪の問題(デーヴィッド・バイアロック)
〈顔〉が生成する真名本『曾我物語』----“曾我”〈兄/弟〉の非対称的物語(高木信)
振動する非自己ーーーー村上春樹の「コミットメント」とトラウマ(深津謙一郎)
◎ジャンル横断ーーーー異なるものたちとの出会い
受動化する身体、見出される風景ーーーー漱石、谷崎、乱歩における「遊民」たち(生方智子)
〈紫のゆかり〉と物語社会の臨界ーーーー『源氏物語』を世俗化/マイナー化するために(安藤徹)
歌つくりの方法論(内藤まりこ)
風景和文の形成ーーーー『源氏物語』の空間の成立(松井健児)
◎解説
日本文学からの批評理論(藤井貞和)
◎あとがき
発見すること、発信すること(松井健児)
参考文献
索引
執筆者紹介
英文目次


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