令和元年5月。一部SNSで話題になっているのを見るまで、著者の存在も活動も存じ上げなかった。
が、ひとたび知ってしまえば、見なかったことにもできず……
口先だけでなく本当に「命」をかけた人間を前に、襟を正さずにいられなかった。
その遺稿集があると知って本書を手に取った。
当方ごときが軽々しくレビューなどしてよいものか、ためらいはあるが、やはり、多くの人に読んでほしい、お薦めしたい。
ということで、以下、一読後の感想。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
冒頭の数章はやや舌足らずで、揚げ足も取られやすそうでもあるが……
しかし、著者自身のいうように「行動は言葉より雄弁」なのか、実際に巡拝が始まる第5章あたりからは、著者の「ま心」が輪郭を整えつつ胸に迫ってくるようで、一気呵成に読み終わった。
特にインタビュー形式の第7章は、聞き手のおかげで、著者自身の文章だけでは今ひとつもやもやしていた部分まで、詳細が引き出されていて、理解の助けになるかと思う。
さかしらな理屈をもてあそぶまえに、一人でも多くの読者に、本書を通じて、著者の「ま心」に触れてほしい。そう思わせる一冊だった。
それにしても……
本書でしばしば言及される松平永芳宮司。メディアでの生前の発言の一部は「別冊正論33 靖國神社創立150年――英霊と天皇御親拝」で断片的に読むことはできるし、それを読んだだけでも巷間流布されている風評は、はげしく疑わしいものに思える。
しかし、ムック本の一記事内での引用という、それではあまり断片的すぎるのもまたたしか。
昭和殉難者合祀の経緯を、不確かな伝聞や風評ではない、本人の発言をもとに考察できるようにするためにも、「松平永芳遺稿集」の出版が急務であるように思う。
他のユーザのコメント