ためになる

数々の賞を受賞したこの福岡の地下鉄のプロジェクト 福岡に出張した際に、実際に天神南駅~桜坂まで(近っ!)乗ってみた まず天神南駅までのアプローチであるが、リニューアルされた天神地下街を通ってみることにした 地下街ってだいたいどこの街でも、地下だということを(=暗いことを)ネガティブに捉え、思いっきり照明を使って明るくする傾向にある しかしこの地下街は逆に暗くすることで、地上とは異なる演出効果を出している 照明なども間接照明にし、また壁のテクスチャーも煉瓦ブロックで統一感をはかり、重々しい重厚感ある佇まいである 鉄細工の天井は通りを進む毎にその模様が変化し、細部へのこだわりを感じる かなり完成度の高い商店街である 地下街を抜けると、白くぼんやりとした空間が顔を現す そこが七隈線の天神南駅である まさに「トンネルを抜けるとそこは…」的アプローチ これって日本人ならだれもが好む方法なのかも まるで病院に着いたかのような安心感を与えるのは、恐らく明るすぎない照明と、足下を照らす間接照明のせいか また改札へと自然と足を運ばせるように、天井にある段差が緩やかにカーブしており、また平行に走る天井からの照明に照らされるフロアが、それとなく誘導する まさにもてなしの空間 苦痛を和らげるような工夫 そしてあらゆる人に利便性を持たせるユニバーサルデザイン 完璧な公共空間としての駅だ 沿線のすべての駅を廻りたい衝動に駆られたが、さすがに時間もなく、なんとなく駅名の響きだけで桜坂駅で降りる この駅も壁の素材やテクスチャーに工夫があり、また垂直動線にはトップライトがあり、地下とはいえ、ダイナミックな空間が構成されていた (この時点ではこの駅がユニバーサルデザインであるということには気がついていなかった) 以上の経験から、この七隈線に興味を持ちこの本を購入 内容的には、10年の記録というほど、内容が濃いわけではないが、最終的なアウトプットとしての紹介がなされている この本を読んだからと言って、完全に実物を理解できるはずが無いということは言うまでもないが、 プロセスを理解して、実物を見るというより深い内容理解のためには必要不可欠な一冊だ 次回訪れた際には、ユニバーサルデザインという点に着目してみたい