辛いけど読んで欲しい
これは単なる戦争小説では無く、たった60年前に20代でこのような素晴らしい人たちが居た、愛する人とその国のために命をかけたという、陳腐な言葉では表せない大きな愛情が根底にある、哀しくも美しい小説である。しかし、元特攻隊員に語らせる戦場の事実は辛く、日本軍の諜報機関の貧弱さと、幹部の官僚体質から引き起こされる敗戦に腹が立つ。時々頁を閉じたが、読み終わってもう一度読んだ。サイパンに気軽に行けるだろうか。時として涙で頁がかすんだ。
ゼロとは皇紀2000年に作られたからゼロ戦という。戦って死んだ人たちはカミカゼと恐れられた勇士であり永遠なのである。
物語は、実の祖父が他に居た。しかも特攻隊員として玉砕した。この事実をニートの主人公が、アルバイトがてら調べるうちに、突きつけられる祖父の姿。卑怯者だったと言われた最初の軍人の姿から、最後は、愛と信念に生きた人誇り高い勇者であり、最大の愛情をたった1週間一緒に居ただけの妻と娘のために貫いた人という感動。
戦争描写は精密で、疲れる部分もあるが、途中で現在の人物が出てくることにより、平和ボケした日本の問題が浮き彫りにされる。
ある特攻隊員は、攻撃されても逃げれば戦争にならないという姉に、ならば今現在の激戦区に入って行って、逃げれば戦争は終わると言えという。
また、特攻隊は天皇信仰のテロリストであり、9・11のイスラムテロと同じだという新聞記者に、特攻隊は無辜の民に対して行ってはいない、武士の戦いだ。お前の新聞が一番信用できない。戦争中は国民を煽りたて、戦後は手のひらを返したことを反省文も無く書く。新聞のせいで、現在の日本人はその良さを失い、自分のことしか考えない国民になったと喝破する。
現在米国の博物館には有名な特攻隊員の写真が尊敬の念をもって飾られているとのこと。結末に近づくほど、感動が高まる本です。最後のドンデン返しともいえる運びは胸熱くなりますが、書きません。
ただ、この本は、何故日本が戦争を始めなければならなかったかということは書くのは無理だった。この本に相応しい本として、渡辺洋一氏の’若者たちよ’K&Kプレス刊を一緒に読んで欲しい。右翼の本ではなく、16年かけて実際に現地で調べたワールドビジネスマンの殆ど自費出版の著書である。西欧人の世界侵略がどのようなものか書かれており、日本がその罠に嵌った事実が明らかにされている。
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