オモチロオカシイ小説
この作家の文章は嫌いだ。
だから読むのは「四畳半神話大系」だけにしておこうと思ったのだが、「四畳半」のアニメ化を機に、ついついこっちにも手を出してしまった。独特の文体が性に合わないという人が多いのも頷けるが、私の場合は全く逆で、自意識過剰で優柔不断な「私」の語りが感性に合い過ぎているために、自分自身を描写されているような錯覚に陥り、一種の嫌悪感を抱くのだろうと思う。
さて、この物語とどう向き合うか。詰まるところ、学生時代という「昔(読者によっては未来あるいは現在かもしれない)」と、京都の町という「理想郷」を舞台にした「ファンタジー」と考えれば、一切の戸惑いは雲散霧消するはずである。
嫌悪感を伴いつつも、実は楽しく読めてしまったのは、純粋無垢でありながら、どんな奇態な人物に遭遇しようとも積極的に係わっていこうとするヒロインによるところが大きい。エキセントリックなこの乙女を、私も可愛いと思う。
他のユーザのコメント