爽やかな物語

三浦しをんの作品は、この「風が強く吹いている」で5冊目。 無名の大学陸上競技部、というかそれまではほとんど走ったことすらないメンバーが「箱根駅伝」にチャレンジする物語。 あまりにも話がうまくできすぎていて、加えて先の展開が読める。にもかかわらず、怒濤のように勢いのある氏の文章によって、それらのマイナスポイントすら問題にならないほど一気に読めてしまう。駅伝というスポーツを通じて、まるで襷を繋ぐように、長間の絆がつながっていく、爽やかな物語である。 ただし、主人公のひとりの名前がやや煩わしい。「走」と書いて「カケル」と読ませるのだが、小説のテーマであるだけに「走」という単語は動詞でも一般名詞でも頻繁に出てくるわけで、非常に紛らわしい。よって、☆マイナス1とした。