多田が営む便利屋の仕事と依頼人それぞれの事情が描かれていて、とにかくサクサク読めて面白いが、ただそれだけではない。ほんのり切なく、じわっと心が温かくなる作品。ある日多田のもとに、高校時代の同級生で変わり者の行天が現れ、多田は便利屋の仕事とからんで様々な人間模様を目の当たりにしたり、思わぬ厄介な事件に巻き込まれたりする。なにより行天の予測不能な行動に翻弄される。多田と行天には共有する苦い思い出があるが、物語の終盤ではそれぞれが背負う過去についても明らかになっていく。不幸な出来事から人が再生するには・・。