キャラが立ったCASTを楽しむ作品3

有川浩さんの評判が急激に聞こえるようになり、遅ればせながら作家読みすることにしました。集中的にデビュー作から読み込んでいます。すでに多くの方がレビューされており、コミック、アニメ、そして実写映画化とメディアミックスコンテンツの典型のような作品ですね。文庫化にあたって、作者あとがきが単行本あとがきと文庫版あとがきが掲載され文庫化までの経過もぶっちゃけられている。さらにおまけストーリーまで掲載と文庫版お得!検閲が常態化した社会、図書館が検閲の聖地、武力による図書館と検閲側との対抗というかなり突飛で憂うべき設定、キャラの立った図書隊のメンバーの大げさな会話など、大人のライトノベルとライブ派作家が自認する劇的作品ですね。ストーリーは単純で社会の暗部をテーマに持っていますが、本作はストーリー読みするよりもキャラ読みするほうが面白い。初期3部作の自衛隊シリーズからのキャラを自由に演示させてそれを記録しているという作者の作風はなかなかのものだと思う。ノリでどんどん話が膨らんでいく。深刻な社会性をベタ甘なラブコメディーにしてしまうところが凄い。シリーズ第3作になって、さらにキャラは派手になりドラマ性も高まっていますが、検閲や差別への作者への想いも強くなっています。そんなところを読み取らなくても構わないとぐいぐい作者は作品を書き進めています。第1部から第4部まで巻末に掲載された故児玉清氏と作者の対談はなかなかの読み物ですが、シリーズ通して読まれる(読ませる)ことを前提にしているところに出版者のたくましさも感じられます。それでも「本読み」を増やす努力をちょっと目立つコンテンツ展開で目指していると理解すれば良いのかもしれません。