”悩む自分に悩まない”ということ

夏目漱石とマックス・ウェーバーの考え方・生き方を、現代人の主な「悩み」のテーマに投影する、著者独特のエッセイ、という読後感。 著者は、夏目漱石とマックス・ウェーバーは、現代人と同種の悩みに対峙してきた、と捉えているが、その洞察には共感を感じる。特に、漱石の考え方に対する洞察については、漱石の主な著書を読んできたこともあり共感が深かった。また、漱石の書籍の読み解き方に対して、なるほど、そういう読み方もあったのか、という発見もあった。 著者がなかなか人生の方向性を定められずに悩みながら30代まで過ごし、その後に方向性を確立していった経験談は、多くの読者に勇気も与えてくれると思う。 どうやって「悩む力」を高めていくか?というテーマを念頭に本を読まれた方には、ちょっと物足りない印象はあるかもしれないが、漱石ファンや、大小の悩みと付き合いながら生きている、という感覚をお持ちの方にはお勧めしたい一書。