「人生が終わった」と感じるような、崩れる直前のジェンガのような、まさに瀬戸際の物語。3話とも完成度が高い。さすが。短い中にも緩急あって心臓キュッと縮み上がるし、どの話も存在感がある。コロナ禍の大学生。受験生を持つ母親。漫画家ファンの女性。身近な設定で描かれるのは、多くの人が抱く不安ばかり。でもその不安を引き金に、知らぬ間に、段々と、ダークサイドに堕ちてしまう。気づけば人生崖っぷち。三者三様の転落模様が生々しかった。そうなってしまう背景は様々で、当人以外にはきっと理解できない。ただ、黒辻村作品かといえばそうでもなく、安心して読めるものの個人的にはそこがやや残念。悪趣味ですみません。余談だが、他作とのリンクは鳥肌もの。