その旅館に到達するのに降りたり昇ったり大変だった。すぐには探せなかった。近所のおじさんに尋ねたら、やっとわかった。古い旅館だった。いらっしゃい、と言ってくれたのは90歳ぐらいのおばあさん。昭和レトロな感じ。廊下はやや暗く改築を繰り返したような高低差がある。二人並んでは歩けない幅。自動販売機はつり銭切れ。窓の外は確かにオーシャンビューなのだが、手前に見える手すりはボロボロ。館内は床がゆがんでいる。トイレはしゃがむタイプ、水洗だがやけに音が大きい。夜間は周り中に水洗の音が響く。上の階の客室の歩く音がよく聞こえる。風呂は男風呂は3人用、女風呂は一人で入るようにカギがかかるようになっている。食事は宴会場で4組の客が一緒にお通夜のように静かに食べる。