ヒロインの鬱々とした心情や、よくこれだけ違うタイプの嫌な人間を 書き分けられるなぁと、なかば感心してしまうほどの身内の描写に 出だしは本当に滅入りました。抑圧感が物凄いです。 なので、ヒロイン覚醒後の解放感や爽快さは見事です。なにより生き生きと 描かれるカナダの自然は圧巻です。中盤以降は一気に読んでしまいました。
3巻めにしてついに本気を出したオーウェンは、敵を ばったばったとなぎ倒し、ケイティをなぎ倒し、ついでに 読者の我々までなぎ倒してくれます。 なぎ倒されたい方はぜひ。 そして4巻めでもその本気を持続してくれることを切に 願います。もうほんと頼みます。
前作『ニューヨークの魔法使い』のラストで「そっちなの!?」 というツッコミを入れた方は、ぜひとも続刊であるこちらを購入 する必要があります。私はありました。2冊同時に買って本当に 良かったです。 魅力的で<平凡な>女性、ケイティ。彼女の悩みは誰にとっても 身近でわかりすぎるもので、我がことのように感じられます。 些細なことで一喜一憂して、凹んでも持ち前の芯の強さとまっすぐな 気性でがんばる彼女はとても活き活きとしていて、赤い靴がなくても 虜にされる気持ち、よくわかるよ。でかした。と読了後しみじみ 思いました。
なぜこの本が東京創元社から?と不思議に思うぐらい、 ミステリ要素が限りなく0に近いです。ファンタジーの 体裁をとったまごうことなきロマンス物。 ただし、主人公がハリウッド映画に慣れた日本人からして みれば度肝を抜くほど奥手で、そこらへんも親近感が倍増 するのに一役買っていそうです。 原作者の筆力のみならず、訳者の力量もあって『翻訳もの』 に特有な違和感のある文体に仕上がっていません。 お値段は少々張りますが、それだけの価値がありました。
はじめて店頭でこの小さな本を視たのは小学校高学年ぐらいでした。 そしてそれから10数年経ってから、ヴィレッジヴァンガードで山と 積まれていたのを少し立ち読みして「これは絶対買おう」と決意しました。 映画「ゲド戦記」はまだ観ていませんので純粋にシュナという少年の旅路に ハラハラさせられました。言葉少なに綴られる挿話と豊穣な絵に本当に 良い本だと思います。 それにしても、ただお話をつくるのにこんなにも世間から様々な雑音を 聴かされるようになるとは、このときの若き宮崎青年は思ってもなかった んだろうなぁと勝手に想像してしまいました。
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青い城
ヒロインの鬱々とした心情や、よくこれだけ違うタイプの嫌な人間を 書き分けられるなぁと、なかば感心してしまうほどの身内の描写に 出だしは本当に滅入りました。抑圧感が物凄いです。 なので、ヒロイン覚醒後の解放感や爽快さは見事です。なにより生き生きと 描かれるカナダの自然は圧巻です。中盤以降は一気に読んでしまいました。
おせっかいなゴッドマザー
3巻めにしてついに本気を出したオーウェンは、敵を ばったばったとなぎ倒し、ケイティをなぎ倒し、ついでに 読者の我々までなぎ倒してくれます。 なぎ倒されたい方はぜひ。 そして4巻めでもその本気を持続してくれることを切に 願います。もうほんと頼みます。
赤い靴の誘惑
前作『ニューヨークの魔法使い』のラストで「そっちなの!?」 というツッコミを入れた方は、ぜひとも続刊であるこちらを購入 する必要があります。私はありました。2冊同時に買って本当に 良かったです。 魅力的で<平凡な>女性、ケイティ。彼女の悩みは誰にとっても 身近でわかりすぎるもので、我がことのように感じられます。 些細なことで一喜一憂して、凹んでも持ち前の芯の強さとまっすぐな 気性でがんばる彼女はとても活き活きとしていて、赤い靴がなくても 虜にされる気持ち、よくわかるよ。でかした。と読了後しみじみ 思いました。
ニューヨークの魔法使い
なぜこの本が東京創元社から?と不思議に思うぐらい、 ミステリ要素が限りなく0に近いです。ファンタジーの 体裁をとったまごうことなきロマンス物。 ただし、主人公がハリウッド映画に慣れた日本人からして みれば度肝を抜くほど奥手で、そこらへんも親近感が倍増 するのに一役買っていそうです。 原作者の筆力のみならず、訳者の力量もあって『翻訳もの』 に特有な違和感のある文体に仕上がっていません。 お値段は少々張りますが、それだけの価値がありました。
シュナの旅
はじめて店頭でこの小さな本を視たのは小学校高学年ぐらいでした。 そしてそれから10数年経ってから、ヴィレッジヴァンガードで山と 積まれていたのを少し立ち読みして「これは絶対買おう」と決意しました。 映画「ゲド戦記」はまだ観ていませんので純粋にシュナという少年の旅路に ハラハラさせられました。言葉少なに綴られる挿話と豊穣な絵に本当に 良い本だと思います。 それにしても、ただお話をつくるのにこんなにも世間から様々な雑音を 聴かされるようになるとは、このときの若き宮崎青年は思ってもなかった んだろうなぁと勝手に想像してしまいました。