表紙を飾る百代ちゃん、再び登場です。トラ助が百代をどんな言葉で諭したのか、とても気になります。知りた~い。 自分を育ててくれた老犬を、けなげに介助する猫の様子に、もっと優しく親に接しなくてはと思いました。 心優しい弥三郎さん、相変わらず猫は苦手なのに、同居猫が増えました。
坊ちゃんに猫又だと知られてしまい、一緒にいられないとなったときの、モモの表情が感情に溢れていて、とても切なくなりました。
小学高学年向けの全集で初めて読んだときから好きなお話しです。日本のシンデレラ物語とされますが、魔法使いのたぐいは登場しません。が、侍女の阿漕(あこぎ)の奮闘ぶりは、魔法を使う妖精たちに負けていません。原典の現代語訳というのでなく、田辺聖子さん流の味付けがされた作品で、登場人物がとても生き生きしています。通い婚が主流の平安朝のロマンスだからこそのハラハラドキドキする所や、原典にはない人物の性格付けなどで、とても楽しく面白くなっています。__ 不遇の姫が思いがけない出会いで、大逆転の人生を手に入れるお話しとしては、この『落窪(おちくぼ)物語』のほかに『鉢(はち)かつぎ姫』があって、こちらも好きなお話しです。
出版社サイトの立ち読みで面白そうだと思ったのと、短編集だし気楽に読めそうなので購入。 主人公は「僕」、バーティ(バートラム)・ウースターという能天気な金持ちの独身貴族。その従僕として雇われたのがジーヴズで、バーティがアガサ叔母さんの押しつける花嫁候補から逃れるのを助けたり、惚れっぽい親友ビンゴの恋路にかかわって振り回されるのを救ったりと、“事件”を巧みに解決していく様子が、バーティの視点から語られていきます。 彼の有能さに、「自分で自分のことを処理するのをやめてしまった」ジーヴズとの出会いである『初仕事』から、時系列的に作品が並べられて、『バーティ君の変心』ではジーヴズが語り手となっています。 バーティも友人のビンゴも、のらくらとしてお気楽な様子にちょっと抵抗を感じましたが、そこはテキパキとそつのないジーヴズとの対比かなと、好意的に解釈しました。バーティがジーヴズに全面的に主導権を明け渡すまいと、それなりに考えて行動するものの、結局はうまくいかずうろたえるという、自虐的な感じのユーモアは、まあまあ面白かったです。 来月刊行予定の第2弾も、読んでみようかなと思いました。 / ジーヴズは、キャプションでは「執事」となっていますが、本文では「従僕」として登場します。雇い主が独り身なので、彼の身の回りの世話から家事全般について取り仕切るという意味においては、大きな違いはないのかもしれませんが、厳密には違うような気もします。
美しく聡明で行動力もある、まさに才色兼備のヒロインは修道女。しっかりとした芯の強さと気の強さを示すのは、かぶり物に納まらずこぼれ出た一筋の赤毛。法的立場で強い地位にあるとはいえ、若い女性であるという偏見もゼロではないが、そこは本来の気の強さで毅然として立ち向かっていくところが魅力的。王女という立場もあって、高飛車なところも垣間見えるが、そこはご愛敬といった感じ。 本格推理もので、証言者の矛盾や事実の証言の持つ意味をとらえた、フィデルマの推理は明快です。今回は、自らの属する修道院での事件で、法的立場と宗教的立場の対立、法的処罰の限界に悩む彼女が印象的でした。 短編2冊いずれも面白かったので、次は長編を読んでみたいと思います。
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猫絵十兵衛〜御伽草紙〜(11)
表紙を飾る百代ちゃん、再び登場です。トラ助が百代をどんな言葉で諭したのか、とても気になります。知りた~い。 自分を育ててくれた老犬を、けなげに介助する猫の様子に、もっと優しく親に接しなくてはと思いました。 心優しい弥三郎さん、相変わらず猫は苦手なのに、同居猫が増えました。
猫絵十兵衛〜御伽草紙〜(9)
坊ちゃんに猫又だと知られてしまい、一緒にいられないとなったときの、モモの表情が感情に溢れていて、とても切なくなりました。
おちくぼ姫
小学高学年向けの全集で初めて読んだときから好きなお話しです。日本のシンデレラ物語とされますが、魔法使いのたぐいは登場しません。が、侍女の阿漕(あこぎ)の奮闘ぶりは、魔法を使う妖精たちに負けていません。原典の現代語訳というのでなく、田辺聖子さん流の味付けがされた作品で、登場人物がとても生き生きしています。通い婚が主流の平安朝のロマンスだからこそのハラハラドキドキする所や、原典にはない人物の性格付けなどで、とても楽しく面白くなっています。__ 不遇の姫が思いがけない出会いで、大逆転の人生を手に入れるお話しとしては、この『落窪(おちくぼ)物語』のほかに『鉢(はち)かつぎ姫』があって、こちらも好きなお話しです。
ジーヴズの事件簿(才智縦横の巻)
出版社サイトの立ち読みで面白そうだと思ったのと、短編集だし気楽に読めそうなので購入。 主人公は「僕」、バーティ(バートラム)・ウースターという能天気な金持ちの独身貴族。その従僕として雇われたのがジーヴズで、バーティがアガサ叔母さんの押しつける花嫁候補から逃れるのを助けたり、惚れっぽい親友ビンゴの恋路にかかわって振り回されるのを救ったりと、“事件”を巧みに解決していく様子が、バーティの視点から語られていきます。 彼の有能さに、「自分で自分のことを処理するのをやめてしまった」ジーヴズとの出会いである『初仕事』から、時系列的に作品が並べられて、『バーティ君の変心』ではジーヴズが語り手となっています。 バーティも友人のビンゴも、のらくらとしてお気楽な様子にちょっと抵抗を感じましたが、そこはテキパキとそつのないジーヴズとの対比かなと、好意的に解釈しました。バーティがジーヴズに全面的に主導権を明け渡すまいと、それなりに考えて行動するものの、結局はうまくいかずうろたえるという、自虐的な感じのユーモアは、まあまあ面白かったです。 来月刊行予定の第2弾も、読んでみようかなと思いました。 / ジーヴズは、キャプションでは「執事」となっていますが、本文では「従僕」として登場します。雇い主が独り身なので、彼の身の回りの世話から家事全般について取り仕切るという意味においては、大きな違いはないのかもしれませんが、厳密には違うような気もします。
修道女フィデルマの洞察
美しく聡明で行動力もある、まさに才色兼備のヒロインは修道女。しっかりとした芯の強さと気の強さを示すのは、かぶり物に納まらずこぼれ出た一筋の赤毛。法的立場で強い地位にあるとはいえ、若い女性であるという偏見もゼロではないが、そこは本来の気の強さで毅然として立ち向かっていくところが魅力的。王女という立場もあって、高飛車なところも垣間見えるが、そこはご愛敬といった感じ。 本格推理もので、証言者の矛盾や事実の証言の持つ意味をとらえた、フィデルマの推理は明快です。今回は、自らの属する修道院での事件で、法的立場と宗教的立場の対立、法的処罰の限界に悩む彼女が印象的でした。 短編2冊いずれも面白かったので、次は長編を読んでみたいと思います。