パルプ・フィクション【Blu-ray】

生涯で１０本しか映画の監督はしない！と宣言している鬼才クエンティン・タランティーノが手掛けた長編監督作の２作目にして、まだ新人の域と思われていた監督デビュー直後扱いだったタランティーノ監督がカンヌのグランプリ＝パルムドール賞を受賞したことで映画界にセンセーショナルな激震を走らせた記念碑的作品。 タランティーノ監督のミューズ（女神）＝ユマ・サーマンとの初タッグ作でもあり、この作品まではあまりいい作品に恵まれない時期が続いていたジョン・トラボルタが第一線へ完全復帰するきっかけとなった作品でもあります。 とにかくクセの強すぎる、長ゼリフと時系列が前後する独特構成な脚本もタランティーノ監督自身が必ず書いているわけで、アクとクセがめちゃくちゃ強いのがこの人の最大の特徴。 タイトルも実に凝っていてイイ。日本で言えば、駅の売店で売っているような安物のペーパーバッグのことを米国では俗語でパルプ・フィクションというそうで、電車での移動中にサクッと読み終わる、内容もそれなりで、とにかく分かりやすく、短時間で読める、移動中に楽しめることが前提で、そこさえ満たせばその後すぐに忘れても全然問題ないような薄い内容で構わない、という代物。 そこから発展して、普通の小説では描けないような奇天烈な展開やキャラクターも可能とする「何でもアリ」な世界観のことをもさす言葉になっているそうで。 まさしくこの映画に出てくるキャラクター、シュールさを超えてくる展開、凝りまくった時系列を入れ替えまくりな構成が、デビュー作「レザボアドッグス」をさらに進化させたタランティーノ印満載であり、これぞタランティーノ、ということを誰もが認める代表作になっている。 レトロなんだけどカッコイイ音楽セレクトも抜群で、ミザルーが頭の中で鳴り響くこと必至。 何度も観たくなる、保存版の最適な１品。