手塚治虫の作品には、大人向けで、陰惨なものが時折あり、それを「黒手塚」というのだそうです。手塚治虫氏御自身は、あまりそのような作品を好んでいらっしゃらないご様子で、「黒手塚」作品の『アラバスター』に対して、「どうしてこのような作品を描いてしまったか分からない。余程心身が疲弊していたに違いない。今読めばこのような作品は大嫌いだ」と発言しておられましたが、その『アラバスター』、読者からしてみれば大層面白いんですねこれが。この『鉄の旋律』他2短編もまた、「黒手塚」で陰惨でありながら、時には奇想天外な漫画ならではの発想を交えて、やはり描いておられるのは「人」なんですね。人間の持つ暗部を、時に赤裸々に描き出す「黒手塚」作品の存在は、例え作者自身が「嫌い」と評しても、それがあるからこそ余計に手塚治虫は素晴らしい、と思えてしまうのだと思います。表題作はマフィア関係、短編2作は政治、政情関係。今の漫画に欠けた何かがここにはあります。解説は水野英子さん。,手塚治虫さんの短編集を集めていて、そのうちの一つです。,ダイモンズの原作である鉄の旋律と読みきり2本が収録されています。短い話ばかりですが手塚先生らしい考えさせるストーリーになっています。,ぐいぐいとひきつけられ、一気に読みきってしまいました。3話収録されてますが、どれも残虐な殺しがメインになっているので、子供には見せられないです。しかし、作品を通して、考えさせられるところなどあり、手塚先生のメッセージがこめられた作品だと思いました。はらはらする展開です。,手塚治虫漫画の中でも、シリアス調な漫画で、中々楽しめました。
レビュー(21件)
「黒手塚」中短編三作
手塚治虫の作品には、大人向けで、陰惨なものが時折あり、それを「黒手塚」というのだそうです。手塚治虫氏御自身は、あまりそのような作品を好んでいらっしゃらないご様子で、「黒手塚」作品の『アラバスター』に対して、「どうしてこのような作品を描いてしまったか分からない。余程心身が疲弊していたに違いない。今読めばこのような作品は大嫌いだ」と発言しておられましたが、その『アラバスター』、読者からしてみれば大層面白いんですねこれが。この『鉄の旋律』他2短編もまた、「黒手塚」で陰惨でありながら、時には奇想天外な漫画ならではの発想を交えて、やはり描いておられるのは「人」なんですね。人間の持つ暗部を、時に赤裸々に描き出す「黒手塚」作品の存在は、例え作者自身が「嫌い」と評しても、それがあるからこそ余計に手塚治虫は素晴らしい、と思えてしまうのだと思います。表題作はマフィア関係、短編2作は政治、政情関係。今の漫画に欠けた何かがここにはあります。解説は水野英子さん。
手塚治虫さんの短編集
手塚治虫さんの短編集を集めていて、そのうちの一つです。
ダイモンズの原作として
ダイモンズの原作である鉄の旋律と読みきり2本が収録されています。短い話ばかりですが手塚先生らしい考えさせるストーリーになっています。
サスペンスです
ぐいぐいとひきつけられ、一気に読みきってしまいました。3話収録されてますが、どれも残虐な殺しがメインになっているので、子供には見せられないです。しかし、作品を通して、考えさせられるところなどあり、手塚先生のメッセージがこめられた作品だと思いました。はらはらする展開です。
手塚治虫漫画の中でも、シリアス調な漫画で、中々楽しめました。