NHK Eテレの番組『日曜美術館』の、やしまたろうの回を見ていて……あれ? この色合い……と、調べてみたらやっぱりそうでした! 私が小学校低学年の頃、父が買ってくれた絵本。なんという題名だったのかも忘れてしまった、とにかく子供心には少し怖いような絵柄で、内容もいわゆる「おはなし」ではないので、夢中になれたり好きに思えたりは出来なかったのです。でも作中の雨、雨の音と、不思議な色使いがとてもとても印象的な本でした。こんな偶然で再び出逢えるなんて。大人になって読んでみて初めて分かる、男親である父が、我が娘に、読んで欲しかった本なのだと。実際この本は、やしまたろうさんが娘のももさんの為に描いた絵本であるそうです。雨が降り、傘に雨音を拾うとき、父を想います。そんな、想いのこもった一冊です。
どくだみの花咲くころ(1)
あくまで個人的な意見ですが、一話目が突出して素晴らしく、二話目も良いのですが、そこから少し……という感が否めませんでした、すみません。二巻も同時購入したので、そちらを読めばまた感想など違ってくるかも知れません。色々反響のある作品なので、少し過度の期待を抱きすぎたかも知れません。
あまがさ
NHK Eテレの番組『日曜美術館』の、やしまたろうの回を見ていて……あれ? この色合い……と、調べてみたらやっぱりそうでした! 私が小学校低学年の頃、父が買ってくれた絵本。なんという題名だったのかも忘れてしまった、とにかく子供心には少し怖いような絵柄で、内容もいわゆる「おはなし」ではないので、夢中になれたり好きに思えたりは出来なかったのです。でも作中の雨、雨の音と、不思議な色使いがとてもとても印象的な本でした。こんな偶然で再び出逢えるなんて。大人になって読んでみて初めて分かる、男親である父が、我が娘に、読んで欲しかった本なのだと。実際この本は、やしまたろうさんが娘のももさんの為に描いた絵本であるそうです。雨が降り、傘に雨音を拾うとき、父を想います。そんな、想いのこもった一冊です。
ポーの一族 青のパンドラ(1)
叙情的で耽美的、たゆたう詩の世界のような作品だった『ポーの一族』ですが、新生ポー、特にこの『青のパンドラ』は萩尾先生の理性的論理的感性が発現されてストーリー展開がまぁ本当に面白い! なるほど! なるほど! と感激しながら読み進めました。続きがますます楽しみです。線はますます荒くなっていますが、表紙などカラーページを見るにこれはデジタル処理されている感じが……もしかして先生デジタルに移行されたのでしょうか? 荒い線ももしかしたらそのせいかも? どちらにせよそのような点も補う面白さです。
カラオケ行こ!
お笑い芸人さんの番組ふたつで、この作品が大変面白いと紹介されていたので、読んでみました。会話の妙などセンス溢れる作品ですが、私が感心したのは、この作品が、普段エグい(笑)格闘モノ、残酷描写モノが大好きな男性の芸人さん達にも大変高く評価されていた事です。女性の私が読むと、これは明らかにBL寄りの作品です。絵柄が割と迫力のあるもので、またオジさんの描き分けが非常に巧みな事もあり、最初は男性作家さんだと信じていましたが、途中から、これって作者女性なんじゃないの? と。案の定本当に作家さんは女性だと公表されているようです。ヤクザモノでありながら、男性にも、女性にも好かれる作品。しかも、別に深い中身がある訳ではなくて、どこかほのぼの系(ヤクザなのに・笑)。なかなか希有なんじゃないかなと思いました。また、非常に関西弁が生きているとも感じました。標準語だったら絶対この雰囲気は出ないのでは。それから聡実は中学生で、本来の目的からすれば高校生の方が……にも関わらず何故中学生? と思いながら読んでおりましたが、そこにはちゃんと、中学生でなければならない理由がありました。その辺りも良く考えられているなぁと感心した処です。とにかく狂児の色気がハンパないですが(笑)、こういう色気は、男女ともに好ましく受け止められるのかぁ、とか、いやぁなんか色々勉強になった作品でした。面白かったです。
ポーの一族 〜春の夢〜
『ポーの一族』は、霧に包まれた、薔薇の香りの漂う、美しく、哀しい物語でした。とにかく世界観が、全てが、圧倒的に美しかった。あの繊細で叙情的な世界は、もしかしたら少女漫画特有の、少女漫画にしか存在しないものだったのかも知れません。そうして全萩尾ファン待望の新作『ポー』。この中には、もう少し、論理性が入り込んで、やはり一種大人の描いた、大人の読み物、となっているような感覚がありました。それでも特にこの、含みを持たせた情感溢れるエンディングなど素晴らしい。この作品からでも、若い人に、こんな素晴らしい世界を構築する作家が居て、作品がある事を、もっともっと、知ってもらえたらなぁ、と、僭越ながら思う事しきりでした。