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東京都北区・音無橋のそばの定食屋。生死不問でご来店お待ちします 会社になじめず仕事もできず、鬱屈した毎日を送る凛々が野良猫と雨宿りをした「たもと屋」。 そこは心残りのある死者が立ち寄る定食屋だった。 身も心も疲れ果て死者と勘違いされた凛々は、勧められるまま食事を注文するのだが…。 メニューは2つ、日替わりの定食か丼ぶり。 始まりの鮪カツ丼、思い出の天津飯、父娘の絆のほっけ定食。 懐かしい味に心もお腹も満たされた死者たちはやがて旅立つ。 凛々もまた、仏頂面でも面倒見のいい店主の青年のごはんを常連客と食べるうちに、元気を取り戻していくーー。 逝く時も、生きる時も、寂しい人はお越しください。 定食屋を舞台におりなす、ちょっと不思議なごはん物語。
レビュー(9件)
なんか、角川文庫から出ている「最後の晩ごはん」シリーズに「ラストオーダー」(オレンジ文庫刊)を足して、さらに恋愛要素を足したように見える。 ・店に幽霊の客が来る。 ・幽霊が移動できる範囲に制限がある。 ・店のメニューが少ない。 ・話開始時点で、店主以外に従業員がいない。 ・メインキャラが最初、身も心もボロボロになっていて、後に再就職をする。 ・常連客に作家がいる。 ネタバレしない範囲であげても6つ。他にもまだある。 メインキャラの性別が違っているので、雰囲気は違うが、設定だけ見ればかなり似ている。 基本的な流れが「最後の晩ごはん」で、最後のどんでん返しが「ラストオーダー」って感じ。 たもと屋オーナーの容姿と店を始めた経緯は、「ラストオーダー」の方に近い。 違うところももちろんあるけど、設定逆にしただけだろ、と言われたら、否定できないように感じる。