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パレスティナ発の「聖書ストーリー」は、メソポタミア平原を越え、イラン高原へ。東方へ膨張をつづける聖書ストーリーに対し、諸民族はいかに向き合ったか。最大の土着宗教ゾロアスター教、「真のキリスト教」を自称したマニ教、イスラームのグノーシス=イスマーイール派ーー。13世紀に「異教の魔神たち」が封じ込められるまで、宗教的想像力がもっとも奔騰した1000年を描きだす、東方の精神史。 序章 「聖書ストーリー」と「各民族の神話ストーリー」 第一章 マンダ教の洗礼主義ーー一〜二世紀のメソポタミア 第二章 マーニー教のイエス中心主義ーー三世紀のメソポタミア 第三章 ペルシアの国教ゾロアスター教ズルヴァーン主義ーー三〜八世紀のイラン 第四章 ミトラ信仰とアルメニア正統使徒教会ーー四〜五世紀のアルメニア 第五章 イスラームにおけるグノーシス主義の復活ーー八〜一〇世紀のメソポタミア 第六章 「聖書ストーリー」に吸収されたザラスシュトラーー九〜一三世紀のイラン 終章 「今日、われ(アッラー)は宗教を完成させた」
レビュー(20件)
ユダヤ教に関心を持っていますが。その特殊性は周辺民族からは,極めて特殊なものと思われていたと理解していますが,それもオリエント世界での「基準」からはある意味では特殊なものではないとも言えることを改めて感じました。
精神風土
この時期。時代の精神世界がかいま見れた感じがします。 宗教は、いかに体系化できたかで、生き残れるかどうかが決まることができると感じられました。