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久米正雄は、大正文学を語る上で欠かせない文学者である。芥川、久米、菊池らの登場は、様々な個性の競う文学界にさらに新風を起こした。「受験生の手記」等の抒情的小説、繊細・印象派的な俳句、センスとユーモアの輝る随筆、日本小説の問題点を指摘した文芸評論など多岐に亘る久米の作品から、精選して一巻とする。 小 説 父の死 手品師 競 漕 流行火事 受験生の手記 金 魚 桟 道 随 筆 芥川龍之介氏の印象 私小説と心境小説 あの頃の話 私の社交ダンス 孝行飛行 震水火の只中に 母を見るまで 追憶の東京 大正ジプシー生活の夢 麻雀の話 大空放哉居士 国際競技 文士野球団の思い出 俳 句 牧唄句抄 句集・返り花(抄) 解 説……………(石割 透) 初出一覧 略年譜
レビュー(7件)
芥川の周辺作家として
久米正雄は芥川龍之介の学友、親友、同時代の作家であり、芥川が遺書を託したのもこの人でした。久しぶりにこの作家の文章を読み返してみると、社会が大きく変わり今の時代では理解されないだろうなが率直な印象。さらに、文章にカタカナ語がまるでなく、昨今いかに無責任なカタカナ言葉が氾濫しているかに気づきます。