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中学2年の少女を死に追いやったのは、誰か? わいせつ写真の要求、自慰行為の強要ーー中学校入学間もない凄惨なイジメ。だが学校はイジメを認めず、心に傷を負った少女はある日、忽然と消えた。そして38日後ーー。遺体は雪の中から発見された。 凄惨なイジメの実態、不可解な学校の対応。遺族・加害者・関係者に徹底取材した文春オンラインの報道は全国的な反響を呼び、ついに第三者委員会の再調査が決定した。北の大地を揺るがした同時進行ドキュメント。母の手記「爽彩へ」を収録。 取材班は旭川に向かったーー 「文春オンライン」編集部に爽彩さんの母親の支援者から連絡が寄せられたのは、彼女の遺体が発見されてから1週間後のことだった。この支援者によると、爽彩さんは2019年4月、地元のY中学校に通うようになってすぐ、近隣の小中学校の生徒から「性的な辱め」を受けた過去があり、PTSD(心的外傷後ストレス障害)を発症、死亡する直前までそのトラウマに苦しんでいたという。 取材班は旭川に向かった。だが、関係者に多くの未成年がいることを鑑み、未成年の関係者への取材は保護者を通じて申請するなど取材は可能な限り慎重に進めた。(本文より) 目次より 遺体は凍っていた/凄惨なイジメの実態/少女は川へ飛び込んだ/加害者たちが語ったこと/中学校はどう対応したか/「イジメはなかった」当時の校長を直撃/第三者委員会による再調査が決定/爽彩さんがネットの友人たちに相談していたこと/大荒れとなった保護者説明会/拡散するデマ、逮捕者も出た迷惑ユーチューバー/第三者委員会のメンバー候補への疑問/市議会で相次いだ事件への質問/「死体検案所」は語る/隠蔽体質の教育委員会は解散せよーー尾木ママの直言/〔資料〕全文公開 Y中学臨時保護者会/母の手記「爽彩へ」
レビュー(21件)
文春オンラインで読んでいたが、詳細がやっと分かりました。母親は若いシングルマザーですが、とても愛情深く子どものことも良く見ていたのだなと分かりました。手記では爽彩さんの生まれていからいなくなり、発見されるまでを丁寧に書かれています。 陰湿な事件を「いじめ」というと軽く聞こえます。明らかに犯罪であり、未成年者ということで、厳重注意で終わっています。人を死に追いやったのに、薄ら笑い、反省も謝罪もない加害者たち。フランスのように警察が介入し、いじめでも逮捕する、日本もこれくらいは必要ではないかと思います。 事件後のY中学保護者会も全文文字起こしされていたが、トップ(校長)が変わっていて事件当時の校長ではない人が指揮を執っていたとのこと、当時の担任は口を開かず。解決姿勢が見えません。結論に時間がかかるせいか、本著には第三者委員会の結論がないことが気にかかります。旭川市教育委員会は変われるとは思えません。 もう1つ気にかかったのが、日本の精神病院のあり方です。自殺した人はそのような扱いを受ける話は、当事者から聞いたことがあります。その時のことが思い出されて、心の傷になっていました。そうすれば自殺しないだろうではない。逆にきちんと死なないといけないと思うようになるかもしれません。日本の精神病院が先進国とは思えぬ治療とはいえない方法を取っていることは、かねてより他国から非難を受けているが、酷いものだとつくづく思いました。こちらももっと検証され、変わっていってほしいですね。 何より爽彩さんが助けを頼んだ大人たちは彼女に寄り添えなかったことが、こういう結果となったのではないでしょうか。彼女は自閉スペクトラム症でアスペルガーだったみたいだが、その分、IQも高く、突出した才能が垣間見える面もあります。周りの人が彼女をうまく支えてあげれば、その才能を開花させたことでしょう。つくづくやるせない事件です。せめて第2、第3の爽彩さんを出さないようにしてほしいものです。
旭川女子中学生イジメ凍死事件の取材に関するものでした。凄惨なイジメは、爽彩さんと同年代の子供を持つ私にとっては他人事に思えませんでした。こんな悲惨なことが二度と起きないよう願うばかりです。
良いと思います。
本になったと知り、購入しました。満足しています。
巻末にある、お母さまの愛情感じる手記を読むことができただけでも購入した意味がありました。 手記を読みながら、 責任を擦り付け合ったり家庭環境のせいだったと言う加害者とその保護者、 いまもいじめが有ったとしていない・学校・教育委員会・旭川市に対して怒りが込み上がるとともに、悔しさと悲しさで溢れる涙が止まりませんでした。 わたしは元旭川市民ですが、この『異常』と言われてもおかしくない旭川の教育環境や行政対応をみて、いまの旭川には住めないし住みたくないと感じてしまいました。 学校関係者、教育関係者の方は是非とも読んでいただきたいです。 そして、この様な辛い事が2度とこの国で、今後誰にも起きる事が無いようにして欲しいと強く強く感じました。
この事件を知った時からずっと、あまりの残酷さに涙、怒り、悔しさでいっぱいです。 親として、女性として、爽彩ちゃんの受けた仕打ちは地獄以上の何者でもなく、許せません。 見るに堪えない事実があります。しかし、だからこそ大人としてこの事件に向き合い、考え、行動する責任があるはずです。 どうかひとりでも多くの方がこの事件を知り、声をあげていただきたい。 このままうやむやに終わらせてはならない。 真実を明らかにし、正しく裁かれること。 教育現場、教育機関の隠蔽をなくす仕組みを作ること。 今苦しんでいる方を救える世の中になることを心から願います。 この本から、あたたかなお母様の愛情に包まれて爽彩ちゃんは育ったと感じます。 どうかまた爽彩ちゃんが生まれ変わり、心穏やかに、誰よりも幸せに生きられることを心より祈ります。