不思議な作品です。何度も読み返したくなります。,古きよきじだいをにおわせるもので、よかった。,野崎訳のものを、随分大切に読み返してきました。高校生の頃にこちらに出会ってから、読むたびに感動に包まれますが、やはり初回読んだ時の頭を殴られたような衝撃は忘れられません。同じように感じたのは、こちらと、脳科学者である茂木氏の、脳と仮想、という本。ジャンルはまったく異なりますが、両者とも、時代を経ても色あせない普遍性を備えた衝撃作です。 新訳、楽しめました。まったく新しい本を手にしたようで嬉しいです。 私自身は特定の宗教を信仰しているわけではありませんが、昔から聖書はかなり読み込んでおり、宗教、というものにはかなり興味があります。ある程度こちらは、宗教観(ただし、特定の宗教への、である必要はありません)をお持ちの方のほうが読みやすいかと。最後の衝撃は、ある程度のなんらかの信仰心のようなもの(特定の宗教や人物への、ではなくてもよいかと)がないとなかなか感じにくいやもしれません。 私人物は、特定の宗教は信仰しておりませんが、少なくとも、神、のようなものはいるのではないか、と思います。そして、私が思う神、は確かにこの書に出てくる、太ったおばさん、に象徴される何か、なのだと思うのです。,村上春樹訳なので読みましたが洋書は読後感があまりよくないですね。,「フラニー」と「ズーイ」の2作品からなる短編集。「フラニー」は思春期以降の精神的な不安を欧米の人たちがどのような理論武装で乗り越えていくのか,一所懸命に考えている様が描かれていて切なくなった。 「ズーイ」は「フラニー」の続編になるのだがこれはセットになっている。フラニーと兄のズーイが登場する。こちらは,饒舌な会話が気怠さと苦行を生むが,この回りくどさを楽しみながらゆっくり最後まで読み進めた。面白かった。フラニーの,つまりサリンジャーの真面目な探求心,誠実な人生への対峙と苦悩に自分の中の切ない部分を思い出させてもらった。
レビュー(192件)
不思議な作品です。何度も読み返したくなります。
古きよきじだいをにおわせるもので、よかった。
なつかしく、新しい
野崎訳のものを、随分大切に読み返してきました。高校生の頃にこちらに出会ってから、読むたびに感動に包まれますが、やはり初回読んだ時の頭を殴られたような衝撃は忘れられません。同じように感じたのは、こちらと、脳科学者である茂木氏の、脳と仮想、という本。ジャンルはまったく異なりますが、両者とも、時代を経ても色あせない普遍性を備えた衝撃作です。 新訳、楽しめました。まったく新しい本を手にしたようで嬉しいです。 私自身は特定の宗教を信仰しているわけではありませんが、昔から聖書はかなり読み込んでおり、宗教、というものにはかなり興味があります。ある程度こちらは、宗教観(ただし、特定の宗教への、である必要はありません)をお持ちの方のほうが読みやすいかと。最後の衝撃は、ある程度のなんらかの信仰心のようなもの(特定の宗教や人物への、ではなくてもよいかと)がないとなかなか感じにくいやもしれません。 私人物は、特定の宗教は信仰しておりませんが、少なくとも、神、のようなものはいるのではないか、と思います。そして、私が思う神、は確かにこの書に出てくる、太ったおばさん、に象徴される何か、なのだと思うのです。
村上春樹訳なので読みましたが洋書は読後感があまりよくないですね。
「フラニー」と「ズーイ」の2作品集
「フラニー」と「ズーイ」の2作品からなる短編集。「フラニー」は思春期以降の精神的な不安を欧米の人たちがどのような理論武装で乗り越えていくのか,一所懸命に考えている様が描かれていて切なくなった。 「ズーイ」は「フラニー」の続編になるのだがこれはセットになっている。フラニーと兄のズーイが登場する。こちらは,饒舌な会話が気怠さと苦行を生むが,この回りくどさを楽しみながらゆっくり最後まで読み進めた。面白かった。フラニーの,つまりサリンジャーの真面目な探求心,誠実な人生への対峙と苦悩に自分の中の切ない部分を思い出させてもらった。