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秦の始皇帝に始まる二千年余にわたる中華帝国の歴史にその名を刻む唯一の女帝・則天武后(武則天)。男性中心秩序の古代社会に己の才覚と知力で挑み、至尊の座にまで登りつめた女性は、何を目指し、また何が彼女を生み出したのかーー。大唐帝国繁栄の礎を築いた冷徹にして情熱的な生涯とその時代を、学術的知見に基づいて鮮やかに描き出す。 はじめに 第一章 則天武后の生卒年 第二章 隋末の動乱と唐の決起 第三章 玄武門の変 第四章 唐太宗と貞観の治 第五章 太宗の後継問題 第六章 武照の出生と武士かく 第七章 武照、太宗の後宮へ 第八章 高宗朝の女の争い 第九章 武昭儀、皇后の座に 第十章 二聖と垂簾の政 第十一章 武后政治の新展開 第十二章 武后とその一族 第十三章 高宗の崩御 第十四章 李敬業の反乱 第十五章 酷吏と告密の恐怖政治 第十六章 怪僧薛懐義 第十七章 武周政権への最終コーナー 第十八章 武周革命 第十九章 武周朝の朝士──狄仁傑 第二十章 武周朝の終焉 第二十一章 武后残影 おわりに 則天武后関係年表 則天武后評伝・文学書一覧 講談社学術文庫によせて 解 説 上野 誠
レビュー(9件)
愛が伴わず残念な人物
則天武后については中国唯一の女帝ということで興味を持っていました。皇帝の後宮に入り、次の皇帝の皇后になり、ついには女帝になりました。皇帝の政治を長く観察し、女性ながら政治の才能がありました。しかし、国中に密告システムを張り巡らし、自分の幼い子や子供、親戚でも自分の野望のためならためらわず殺しました。臣下も国民も愛したわけではないので恐怖政治がはびこりました。中国は日本と異なり女性が皇帝になるのは驚天動地の出来事でした。その壁を突き破るパワーに集中したため、日本の持統天皇のように国や律令制などを整えることはありませんでした。当然短命の政権でした。彼女の政治の才能を考えると愛が伴わず残念な人物でした。
読んでみるべき
悪女ですが改革にも取り組んだ人でした。平民というレッテルに苦しんだ時代の人です。
なんとなく買ってみた本ですが、大変面白かったです。 この著者のほかの中国歴史本も是非読んでみたいと思いました。
皇帝
凄い女性です。権力を握る方はそうはいません 嫁と孫とは器が違います。