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「善人なをもて往生をとぐ、いはんや悪人をや」。強烈なパラドックスを含むこの成句で有名な『歎異抄』。その一言一句から発せられる「毒」と「薬」は、時代や階層を超え、人々の魂を揺り動かしてきた。親鸞の純粋なる信仰を、直弟子唯円が大胆率直に記述した『歎異抄』の魅力とは何か。▼わが国でもっとも優れた宗教書であると絶賛する著者が、その真髄をあまさず語る。法然と親鸞、親鸞と唯円という師弟関係を通して浮かび上がる独自の世界。道徳の延長ではない宗教の本質をえぐり出す。▼また、『歎異抄』の聞書作者である唯円その人の出自をめぐり、梅原流の歴史観を披瀝する。これまで唯円は東国の出身であるとされていたが、数々の資料を通して、西国の出身ではないかと。そして親鸞と唯円の深い関係も、親鸞の晩年に京都で築かれたのではないかと、独自の推論を展開する。『歎異抄』成立の秘密に迫った興味深い洞察である。現代語訳と詳しい年表付きの決定版である。 ●第1章 「歎異抄」わが心の恋人 ●第2章 「専修念仏」への道 ●第3章 法然、親鸞、そして唯円 ●第4章 道徳の延長線上に宗教はない ●第5章 弥陀を信じた親鸞の究極の境地 ●第6章 現代語訳「歎異抄」
レビュー(8件)
「たんにしょう」
歎異抄の分かりやすい解説ですので、お勧めです。
上司から勧められて
以前、柴崎コウさんがコンサートで「禅語」の紹介をしていて「般若心経」を読んだことを上司に話したところ、「歎異抄」を読んでみるべきだと勧められたのがきっかけで購入しました。 一応仏教徒である者として読んでよかったと思います。 南無阿弥陀仏と念仏することで、阿弥陀様に救っていただけるのですから 有名な言葉ではありますが、「善人なをもて往生をとぐ、いわんや悪人をや」という強烈なパラドックスはやはりすごいの一言です。 親鸞のブレない一本通した考え方に感動し、自分をおごることや過信することなく生活できたらと思いました。 最後に・・・ 一番のおすすめは、親鸞が弟子たちとのやりとりのなかで、どんな問題にも明晰に回答しています。 問題解決や考える力を勉強するためにもおすすめです!!