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【どこにでもある「インドカレー店」からみる移民社会】 いまや日本のいたるところで見かけるようになった、格安インドカレー店。 そのほとんどがネパール人経営なのはなぜか? どの店もバターチキンカレー、ナン、タンドリーチキンといったメニューがコピペのように並ぶのはどうしてか? 「インネパ」とも呼ばれるこれらの店は、どんな経緯で日本全国に増殖していったのか……その謎を追ううちに見えてきたのは、日本の外国人行政の盲点を突く移民たちのしたたかさと、海外出稼ぎが主要産業になっている国ならではの悲哀だった。 おいしさのなかの真実に迫るノンフィクション。 【目次】 はじめに 「ナン、おかわりどうですか?」 第一章 ネパール人はなぜ日本でカレー屋を開くのか 第二章 「インネパ」の原型をつくったインド人たち 第三章 インドカレー店が急増したワケ 第四章 日本を制覇するカレー移民 第五章 稼げる店のヒミツ 第六章 カレービジネスのダークサイド 第七章 搾取されるネパール人コック 第八章 カレー屋の妻と子供たち 第九章 カレー移民の里、バグルンを旅する おわりに カレー移民はどこへ行くのか 【著者略歴】 1974年生まれ。 週刊誌記者を経てタイに移住。 現地発の日本語情報誌に在籍し、10年にわたりタイ及び周辺国を取材する。 帰国後はアジア専門のジャーナリストとして活動。 「アジアに生きる日本人」「日本に生きるアジア人」をテーマとしている。 現在は日本最大の多国籍タウン、新大久保に在住。 外国人コミュニティと密接に関わり合いながら取材活動を続けている。 おもな著書は『北関東の異界 エスニック国道354号線 絶品メシとリアル日本』(新潮社)、『ルポ新大久保 移民最前線都市を歩く』(角川文庫)、『日本の異国 在日外国人の知られざる日常』(晶文社)、『ルポ コロナ禍の移民たち』(明石書店)など。
レビュー(67件)
地元でも、元ラーメン店の居抜き店舗とプレハブ小屋のような店舗の2店が営業を続けている。すべてがインド人経営だとは思っていなかったが、多くのネパール人が関わっていることが分かった。それはインドのカースト制度と、ネパールが抱える貧困な産業構造にあった。30年ほど前に都内のインド料理店でめっちゃスパイシーなカレーを食べた記憶がよみがえる。本書を読むと、来日したネパール人の苦労・苦悩や、家族滞在の在留資格で日本に馴染めないカレー屋の子の問題があることに気付かされる。高野秀行のルポを彷彿させる本だった。
インネパのことがわかる。 ナンをみる目も変わります。
私が働いてる病院の院長先生が忘年会にてオススメの書籍と紹介してくれた著書です。 移民問題は日本における喫緊の重要課題。 安易な移民受け入れには大反対です。
気になる所がわかり一気読みしてしまいました。
しっかりと丁寧に取材を重ねた上で書かれていると感じました。 普段街中で多く目にし、ランチで利用することもありながら、なんとなく気になっていた「インド・ネパール」カレー店の歴史から様々な裏事情までの記述を一気に読むことができました。