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根津権現にほど近い「鯖猫長屋」に、隻眼の盗賊「鯰の甚右衛門」が姿を現す。牢屋敷を出た甚右衛門は蘭方医になりすまし、再び仕事を始めるために必要な相棒を探していた。 狙いは、長屋を“仕切る”猫サバの飼い主で、もとは独り働きの盗人だった画描きの拾楽だ。 ところが、悪の道に引き戻されそうになっている主を横目で見つつも、サバは動かない。拾楽の運命は? そんな折、歌舞伎役者の卵が長屋に転がり込み、涼太の部屋には座敷童まで現れる。長屋の面々をも巻き込んだ怪事件に拾楽、そしてサバの大将はーー。 猫好きの心に火をつけ、累計36万部越えの人気シリーズ最新巻。江戸を舞台にした謎解き&人情ばなし第九弾。文庫書き下ろし。
レビュー(19件)
このシリーズは読みやすく、面白い。読者の想像を少しだけ超える程度の驚きを上手に与えてくれる。今回は、蘭方医として生きる元盗賊の統領が拾楽を元の世界に引き戻そうとする展開と、武家の次男と夫婦になり、次男と共に家を継ぐ希望に理性を失う娘の思惑が重なり、長屋を騒動に巻き込む経緯が解りやすく語られる。「離れた壁に映った影は、大きく見えるものだよ」(p.91)、「心が『堅気』へ傾けば傾くほど、振り子が揺れた時の振り幅は、大きくなるというものだ。(p.98)。拾楽は「堅気」のままでいることができるのか、今後の展開に注目したい。
続きが読みたい!
1~9巻までハラハラドキドキしながら夢中になり読みました。拾楽が黒ひょっとこに戻るのか拾楽と おはまちゃんの恋は進展するのか サバとさくらは・・あ~早く続きが読みたい!田牧先生お願いします!
本編も大変面白く読めました。座敷童やら謎の医者などが登場、 医者がもっと不穏なことを巻き起こすかと思っていたが、 今後が楽しみです。