半年ぶりに宿泊。通算10回目になります。お邪魔するたびにさまざまな改良が施され、オーナーご夫妻のきめ細やかな心遣いが感じられます。従来の1階の洗面はレトロないい感じですし、新しくなった2階の洗面はモダンな感じです。各部屋専用のトイレ、今回はセンサー点灯方式になっており、便利さが向上しています。今回は加温なしと加温、両方を楽しむことができました。ぬる湯好きがジワジワ増えて来ているのが嬉しいですね。来月、11回目の投宿も楽しみです。
このシリーズは読みやすく、面白い。読者の想像を少しだけ超える程度の驚きを上手に与えてくれる。今回は、蘭方医として生きる元盗賊の統領が拾楽を元の世界に引き戻そうとする展開と、武家の次男と夫婦になり、次男と共に家を継ぐ希望に理性を失う娘の思惑が重なり、長屋を騒動に巻き込む経緯が解りやすく語られる。「離れた壁に映った影は、大きく見えるものだよ」(p.91)、「心が『堅気』へ傾けば傾くほど、振り子が揺れた時の振り幅は、大きくなるというものだ。(p.98)。拾楽は「堅気」のままでいることができるのか、今後の展開に注目したい。
湯島から火が出て、「ぜんや」のある神田花房町も消失。只次郎は菱屋に、お妙は升川屋に仮住まい。産み月の近かったおえんは、夫の実家で姑と共に暮らし、生まれた娘の疳が強く姑に気を遣っている。火事の後、心が折れてしまったお妙。今で言うPTSDの症状。只次郎が、手に入れた卵で、卵がゆを作りお妙に食べさせる。お妙は両親が焼死した時のことを思い出す。焼死ではなく刺された後に火をつけられたのだった。新たな謎に立ちすくむお妙。「ぜんや」再開は成るのか。只次郎とお妙の想いは果たしてつながるのか。各章の冒頭の装画が趣深く印象的。
人気子役・橘愛花が誘拐された。愛花の父親・仲岡は10年前、未公開株詐欺事件で逮捕されたが、犯人グループの中で真っ先に自白し、執行猶予となる。離婚後、娘・愛花との面会を許されず、詐欺で得た資金で事業を広げていった。時を同じくしてアパート火災で女性が死亡した。女性の息子は詐欺事件の被害者で、息子はそれが元で離婚、自殺した。その後、女性は新興宗教にのめり込み夫とは別居状態だった。誘拐と失火、二つの事件の結びつきを村野は明らかにし事件は解決を見る。詐欺事件の犯人グループと被害者が結託し、詐欺事件で仲間を売り、一人だけ執行猶予となった男の娘を誘拐する、という真相にたどり着く。捜査一課長から「一課に戻ってこい」と勧められるが、それを断る村野。支援課での仕事の意義を見つけ出した村野だった。
幼女を殺害した16歳の少年の実名が暴かれ、その犯人と同姓同名の人物たちが次々と登場し、その名前のせいで人生を狂わされたという理由で「同姓同名被害者の会」を結成し、真犯人を突き止めようとする。二重三重にもひねりが加わり複雑な展開で読者を翻弄する反則すれすれの荒業がさく裂する。途中で何度も元に戻って読み返した。いっそのこと裁判の場面も入れて、検事も弁護士も同姓同名だったらもっと訳が分からなかったかもしれない。内容的には人の恨みの怖さや、匿名SNSでの発言の持つ、扇動性や同調圧力の危険性に重点が置かれている。私自身、祖父から同姓の歴史上の人物と同じ名前を付けられたために、嫌な思い出があるので身につまされた部分もあった。
シリーズ10作目。絹の着物を扱えなくなった五鈴屋は、木綿を藍染めした生地の制作に取り掛かる。浴衣に仕立て、川開きに合わせて売り出すため、極秘のうちに準備を進める。五鈴屋の棟続きの隣で提灯を商っていた三嶋屋が店をたたみ浜松に移ることになり、五鈴屋に買い取ってもらえないだろうかと打診がある。迷っていた幸だったが、大坂から江戸に出て寄寓していた菊榮が買い取ることを決断する。伊勢・白子から一人で江戸に出てきた誠二を救い、近江屋から二人を雇い入れ、五鈴屋の陣営が強化される。梅松と梅にようやく訪れた春で今回はめでたく幕となる。藍染めの浴衣の大成功に音羽屋はどう出るのか。早くも次回が楽しみ。
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沓掛温泉 叶屋旅館<長野県>
半年ぶりに宿泊。通算10回目になります。お邪魔するたびにさまざまな改良が施され、オーナーご夫妻のきめ細やかな心遣いが感じられます。従来の1階の洗面はレトロないい感じですし、新しくなった2階の洗面はモダンな感じです。各部屋専用のトイレ、今回はセンサー点灯方式になっており、便利さが向上しています。今回は加温なしと加温、両方を楽しむことができました。ぬる湯好きがジワジワ増えて来ているのが嬉しいですね。来月、11回目の投宿も楽しみです。
鯖猫長屋ふしぎ草紙(九)
このシリーズは読みやすく、面白い。読者の想像を少しだけ超える程度の驚きを上手に与えてくれる。今回は、蘭方医として生きる元盗賊の統領が拾楽を元の世界に引き戻そうとする展開と、武家の次男と夫婦になり、次男と共に家を継ぐ希望に理性を失う娘の思惑が重なり、長屋を騒動に巻き込む経緯が解りやすく語られる。「離れた壁に映った影は、大きく見えるものだよ」(p.91)、「心が『堅気』へ傾けば傾くほど、振り子が揺れた時の振り幅は、大きくなるというものだ。(p.98)。拾楽は「堅気」のままでいることができるのか、今後の展開に注目したい。
とろとろ卵がゆ 居酒屋ぜんや
湯島から火が出て、「ぜんや」のある神田花房町も消失。只次郎は菱屋に、お妙は升川屋に仮住まい。産み月の近かったおえんは、夫の実家で姑と共に暮らし、生まれた娘の疳が強く姑に気を遣っている。火事の後、心が折れてしまったお妙。今で言うPTSDの症状。只次郎が、手に入れた卵で、卵がゆを作りお妙に食べさせる。お妙は両親が焼死した時のことを思い出す。焼死ではなく刺された後に火をつけられたのだった。新たな謎に立ちすくむお妙。「ぜんや」再開は成るのか。只次郎とお妙の想いは果たしてつながるのか。各章の冒頭の装画が趣深く印象的。
空白の家族 警視庁犯罪被害者支援課7
人気子役・橘愛花が誘拐された。愛花の父親・仲岡は10年前、未公開株詐欺事件で逮捕されたが、犯人グループの中で真っ先に自白し、執行猶予となる。離婚後、娘・愛花との面会を許されず、詐欺で得た資金で事業を広げていった。時を同じくしてアパート火災で女性が死亡した。女性の息子は詐欺事件の被害者で、息子はそれが元で離婚、自殺した。その後、女性は新興宗教にのめり込み夫とは別居状態だった。誘拐と失火、二つの事件の結びつきを村野は明らかにし事件は解決を見る。詐欺事件の犯人グループと被害者が結託し、詐欺事件で仲間を売り、一人だけ執行猶予となった男の娘を誘拐する、という真相にたどり着く。捜査一課長から「一課に戻ってこい」と勧められるが、それを断る村野。支援課での仕事の意義を見つけ出した村野だった。
同姓同名
幼女を殺害した16歳の少年の実名が暴かれ、その犯人と同姓同名の人物たちが次々と登場し、その名前のせいで人生を狂わされたという理由で「同姓同名被害者の会」を結成し、真犯人を突き止めようとする。二重三重にもひねりが加わり複雑な展開で読者を翻弄する反則すれすれの荒業がさく裂する。途中で何度も元に戻って読み返した。いっそのこと裁判の場面も入れて、検事も弁護士も同姓同名だったらもっと訳が分からなかったかもしれない。内容的には人の恨みの怖さや、匿名SNSでの発言の持つ、扇動性や同調圧力の危険性に重点が置かれている。私自身、祖父から同姓の歴史上の人物と同じ名前を付けられたために、嫌な思い出があるので身につまされた部分もあった。
あきない世傳 金と銀(十) 合流篇
シリーズ10作目。絹の着物を扱えなくなった五鈴屋は、木綿を藍染めした生地の制作に取り掛かる。浴衣に仕立て、川開きに合わせて売り出すため、極秘のうちに準備を進める。五鈴屋の棟続きの隣で提灯を商っていた三嶋屋が店をたたみ浜松に移ることになり、五鈴屋に買い取ってもらえないだろうかと打診がある。迷っていた幸だったが、大坂から江戸に出て寄寓していた菊榮が買い取ることを決断する。伊勢・白子から一人で江戸に出てきた誠二を救い、近江屋から二人を雇い入れ、五鈴屋の陣営が強化される。梅松と梅にようやく訪れた春で今回はめでたく幕となる。藍染めの浴衣の大成功に音羽屋はどう出るのか。早くも次回が楽しみ。